書店の話

書店

これを機に「本を読んで」と思うけど…
小林書店 小林由美子さん

自粛期間中、閉店時間は早めましたが、お店は閉めませんでした。休校や家に居る時間が増えたことから、学習ドリルや語学テキストがよく売れたという話はありますが、元々ウチみたいな町の小さな本屋では置く本を絞っていたので売り上げは増えませんでした。定期的に配達していた医院や美容院さんから定期購読を止められたりもして残念でした。

「休みで暇なのでお勧めの本はない?」と若い方が尋ねて来られてお話しできたりしたのは嬉しいですが、この機会に少しでも本を読んでくれたらなによりと思いますが、なかなかそういう具合にはいかないですね。元々本を読む人は読むし、読まない人は読みませんものね。

逆にこういう時だからと絵本セラピストの方がSNSで「絵本を小林書店で買いませんか?」と呼びかけていただいて4~5月はその発送に追われるくらいでした。人のつながりを有難く思いました。近くの中田屋さんとコラボしてお煎餅を同封して送って喜ばれました。

昨年4月からは懇意にしている作家さんに勧められて「いい話の小さな図書館」という本の頒布会を始めました。年会費を払うと私が選んだ本1冊と月刊紙が送られてくるというシステムで最近はそこにつけるエッセイも書かせていただいています。元々作家になりたかったのでとっても励みになります。はじめは20名だった会員が、今では81名となり、お手紙やお礼の品を送られてくることもあるのですよ。校長先生が会員になられ校長室の前に貸し出し自由の「小さな図書館」を設置されているというお手紙は嬉しく読みました。

前のような生活に戻れるのはいつの日かわかりませんが、しっかり免疫力をつけて、もしコロナに感染してもたいした事ないように日々過ごしたいものですね。■廣


こばやしゆみこ・立花商店街で「小林書店」を親の代から引き継いで経営。書店だけではやっていけないと傘の販売も手掛ける。他にもお店で作家さんのサイン会やビブリオバトルなどを開催したり「町の小さな本屋さん」に収まらないくらい活動範囲を広げられています。