神主のぶらり街歩き

連載第39回 Amazonの倉庫までぶらり…のはずが

国道43号線を東に向かい、五合橋交差点を南下。日本製鉄関西製鉄所の間の道を進み東高洲橋(跳ね橋)を渡ろうとすると「通行止」の看板を発見。日ごろ仕事のため車で何度も通る馴染みのある橋だけに、この「通行止」について調べてみることにしました。

実は3月4日、車両が走行した際の異音に気づき確認したところ、接続部分に段差が生じており、その後の調査で損傷が発見されたそうです。今すぐ落下する心配はありませんでしたが、安全最優先に車を通行止めにして、50cc以下のバイク・自転車・歩行者のみが通行できることとしました。

東高洲橋を渡ってすぐの所にある松本運輸倉庫の松本社長さんによると、「通行止めになった日は、国道2号線から車で南下するのに、2時間30分もかかった。今でも時間によっては大混雑やし、この橋を渡れないから仕事量が減っている会社もあるよ」とのこと。橋のすぐ横にある中島新橋を迂回すると車でも渡ることができましたが、かなり不便を強いられたそうです。

この東高洲橋は跳開式可動橋(片側)で、東堀運河を渡るため昭和31年に設置されました。当時は近隣工場の船を使った物流が多かったため、1日5回決められた時間に可動し船が通っていました。陸運が大半となった現在でも可動していますが、月に数回とのことなので、跳ね上がる瞬間を見ることはとても貴重なようです。

昭和41年に現在使用されている2代目を取り付けてからは、阪神淡路大震災で被災し修理が行われるなど定期的にメンテナンスされてきましたが、今回、老朽化による損傷のため、約40日間通行止めとなり4月13日に仮開放されました。

東高洲橋を渡った南は、かつて製造業が中心でしたが、工場などが取り壊され物流倉庫が林立する環境に変わりました。トヨタやダイハツの完成車輸送の拠点もあり、通行するトラックの大きさや台数も55年前とは大きく違います。現在、本復旧へ向け設計中とのことですが、今の時代に合わせて橋が強靭化され、尼崎の景気も跳ね上がることを祈りたいですね。跳ね橋だけに…。


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンなお社きふねさんの第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。ラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」の過去の放送はインターネットでお聞きいただけます。