神主のぶらり街歩き

連載第37回 琴ノ浦高校へぶらり

3月末の尼崎城オープン以来、人の流れがすっかり変わってしまった城内界隈。おかげさまで尼崎城を見学し、すぐ南にある櫻井神社をお参りされた方が、その流れで当社にもお越しくださっており、課題といわれた周辺施設への動線は今のところ描かれています。

さて、その尼崎城のすぐ近くに、尼崎市立琴ノ浦高等学校があります。ところが、昼間歩いて学校前を通っても、校舎に生徒の姿を見る事はなく、声さえ聞こえてきません。それもそのはずで、ここは定時制高校。学校が始まるのは、午後3時30分からなので、私が学校の前を通る時間には正門すら開いていないのです。

琴ノ浦高校は、平成25年4月に、城内高校と尼崎工業高校が統合され開校しました。この4月に7度目の入学式が行われ、現在約320名が学んでいます。3年で卒業を目指す「3修制」と、4年で卒業を目指す「4修制」があり、多くは3年で卒業を目指すそうです。普通、商業、工業機械、工業電気の系列があり、専門知識や、技術を身につけることができます。

1時間目は16時40分からで、3修制の生徒の為に、0時間目という不思議な時間割もあります。そして18時20分からは給食の時間。兵庫県の定時制では数少ない完全給食が実施されているのも琴ノ浦高校の特徴です。

吉野浩司校長は「市の補助もあり一食200円で、温かいご飯と汁物、おかずが出されます。生徒たちの中には、アルバイトの都合もあって食事をバランスよく取れていない者もあり、給食は健康を一番に考えた取り組みになっています」と丁寧に説明してくださいました。

他にも、クラブ活動は21時20分から22時まで行われており、ソフトテニス部やバドミントン部、剣道部、卓球部などは定時制・通信制高校の大会で、好成績を収めています。また、9月に行われる体育祭、11月に開催される琴ノ浦祭(文化祭)はいずれも夜に開催。生徒の保護者の方々も来られてとても盛り上がるそうです。

中学校で学校から遠ざかってしまった子どもであっても、昼間にアルバイトをしながら、もう一度学校に通い、勉強の楽しさを知り、少人数クラスで先生とのつながりを実感できる琴ノ浦高校。教室で一生懸命に学ぶ皆さんの表情が印象的で、私も初心に返らせていただきました。ご案内くださいました脇田高史教頭、ありがとうございました!


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンなお社きふねさんの第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。ラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」の過去の放送はインターネットでお聞きいただけます。

●8月3日~4日はこちらの琴ノ浦高校をメイン会場に「みんなのサマーセミナー」が開催され、江田宮司もセンセイとして教壇に立ちます。