尼崎セントラルパーク

阪神尼崎駅北側に位置する「中央公園」。駅前に広がるぜいたくな公共空間は、私たちに都市のゆとりを感じさせてくれるはず。そんなニューヨークにも負けない“セントラルパーク”の使われ方や歴史を深堀りしながら、阪神尼崎駅前の可能性を探る。

まずは今のセントラルパークの魅力を探るため、編集部でニューヨーカーになりきって様々な公園の使い方を試してみた。

5月22日の昼下がり、テーブルとイスを持ち込み中央公園へ。通行の妨げにならず、周りに威圧感を与えない街路樹の隙間を選んで荷物を広げる。晴天だったこの日、木漏れ日の中でそよ風を感じる時間は、何にも代えがたい幸福感に包まれていた。

15時頃、施設管理者から「そろそろ日光浴も終わりにしてんか」と声をかけられる。「周りの人からクレームが入っているんや。6年間管理してるけど、テーブルを出した人ははじめて。他の人が真似したら困るからやめて」とのこと。「でも公園ってピクニックしてもいいですよね?」には「ここは『特別な公園』だからダメ」と曖昧な答え。管理側も公園ルールの解釈が難しく「今日はもう勘弁して」とのことだった。

しかし通行人は意外にもフレンドリー。ディナーをしていると「なにしてんの?」と近づいてきて、ひとしきり飲んで食べた後「あー楽しかった」と帰っていく人が数名いた。参加者からは「次はいつするん?」や「普段は長居することなかったけど楽しかった」と大満足の声。ちなみに街頭演説や路上ライブをする場合は、市公園維持課に「公園内行為許可申請書」の提出が必要(詳細はp.5に)。次回は私たちも申請書を提出し、思う存分セントラルパークを楽しみたい。

ピクニックしてみた
ワインに合うおつまみを持ち寄り、テーブルとイスを広げてディナー。物珍しそうに眺めながら通りすぎる人が多い中、数名は興味津々で近づいてきて一緒に食事を楽しんだ。知らない誰かと出会いがあるのも公園ならでは。
仕事してみた
テーブルとイス、パソコンさえあれば、公園の一角がオフィスに早変わり。木漏れ日の中では斬新なアイデアも自然と思い浮かびそう。駅もポストもコンビニも近く、利便性は抜群。
デッキにカウンター作ってみた
F字クランプを手すりに固定し、その上に板を置けば簡易カウンターの完成。陸橋の上に設置して、夕日を眺めながら飲むワインは格別だ。