サイハッケン 水明公園に謎の声が聞こえる場所がある。

明日誰かに話したくなる尼崎南部の知られざる話題をご紹介。情報も募集中!

尼崎競艇場の北側にある水明公園。園内にはバラ園や阪神国道電車の車両が保存されていたり見どころは多いのだがまさか…。

先日、大庄公民館の市民大学という講座で「南部再生」に関する授業をさせていただいた。受講生の中には愛読者もおられ、温かい雰囲気で講義は終了。「最後に質問があったら…」なんて気軽に聞いたところ、一人の女性から謎めいた問いが投げかけられた。

「水明公園に1カ所だけ声が違って聞こえる場所があるんですが、あれ何ですか?」

なんともオカルトめいた質問にざわつく会場。ちょっと怖いな。そして、私たちは探偵ナイトスクープではない。ここは桂小枝探偵にでも行ってもらいたいところだが、気になってしまうのがローカルマガジンの性ともいうべきか。「公園のどのへんですか?」と聞くと「なんか、まるい椅子のまんなからへん?」だとかなんとか。要領を得ない彼女の答えにますます興味がそそられる。早速、その足で水明公園へ。

雨降る中、傘をさして一人「あー」とか「わっ」とか言いながら徘徊すること10分。そろそろ通報されないかと心配になる頃、声が不思議と響くスポットをついに見つけた。バラ園の北側、円形迷路のように配置された腰掛けの中心部。ここで発した声が、カラオケのエコーのように自分の耳にだけ響く。何これ?

思わず興奮して、水明公園の管理作業員さんを呼びつけ、真ん中で声を出してもらう。「ほんまや!ここだけ音がちがいますわ」とどうやらご存知なかった様子。しかし、なんでこんな仕掛けが施されているのか。

市役所に問い合わせてみた。「当時の設計担当者に確認したところ、意図したものではないそうです。現地確認しましたが、ちょっと面白いですね」というのは公園計画・21世紀の森担当課長の金子智子さん。

放射状の床タイルへの反響説、ベンチとの共鳴(フラッターエコー)説など、編集部でも様々な説が飛び交うが、謎の声の真相は迷宮入りに。引き続き調査を続けたい。


取材と文/若狭健作
JR尼崎駅前の梅川像の下も声響きますよね。でもあれとは違うんですよね。ぜひ一度体験いただきたい。