神主のぶらり街歩き

連載第35回 8時だヨ!神さま仏さまが休止だって?

平成22年4月からFMあまがさきで放送を開始した「8時だヨ!神さま仏さま」は、お坊さんと神主さんがラジオで各宗教のことを話すという斬新な切り口で一気に人気が出ました。その後、レギュラーに牧師さんが加入し、仏教・キリスト教・神道という日本三大宗教がそろい、丸8年番組を続けてきましたが、この9月でいったん休止しました。

休止の理由については、「やはり宗教の違う者同士なので、喧嘩が絶えなかったから」とか、「ギャラが高額になったから」など噂が立ちましたが、喧嘩などは一度もなくいつも「機嫌のよい空間」であり、ギャラなど全くなくいつも「手弁当」でした。本当の理由は、出演者や関係者が長年関わる中で、それぞれ環境が変わり予定が合わせにくくなったこと。今後、無理なく番組収録に関わることができるようになれば復活する予定です。

さて、この番組を休止するにあたり、ゲストに来てくださった方々などからメッセージを頂戴しました。「番組に出演させていただき刺激を受けて、地元のFMで番組を始めました」とか、「(ここ数年行っていた豊中市・練心庵での)年末の公開収録、楽しみにしていたのに…」とか、一番多かったのが「また出たかったのに…」。誰一人として「宗教のことがとても勉強できた」とは書かれていませんでした(涙)が、仏教・キリスト教・神道の宗教者たちが繰り広げるトークにご機嫌な空間が提供できていたことがわかりました。

さて、番組が終了して1か月、2か月と経過し感じることは、月に2度、収録で顔を合わせていたメンバーと会わないことで、様々な宗教事情や宗教者事情を知る機会を無くしているのではないかということです。逆に言うと(これ、宏林さんの口癖で、宏林さんの場合最終的に逆じゃないんです)、ラジオ番組を続けてきたことで、「他を学び、違いを知る」という本来、宗教者が持たなければならない物の見方を身に着けることができたのではないかと気づかされました。

この番組の最終目標はいつの日からか「世界平和」というとてつもない壮大なものになりました。いったん休止はしますが、関係者がそれぞれ十分に充電して(私の場合はたくさん“ぶらり”して)、たくさんの他を学び、違いを知って、世界平和実現のため戻ってきたいと思います。「またいつの日かお耳にかかりましょう。8時だヨ!神さま仏さま」。


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンなお社きふねさんの第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。ラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」の過去の放送はインターネットでお聞きいただけます。