神主のぶらり街歩き

連載第33回 あっちのこっちのお城をぶらり

『南部再生』をご愛読の皆様はご存じで楽しみにされていると思いますが、まだ多くの市民に知られていない尼崎城天守再建。この秋に天守が完成し、来春に一般公開されます。

そこで、せっかく再建される尼崎城をどのように活用すべきか考えるため、わざわざ国史跡の竹田城跡と、世界文化遺産で国宝の姫路城をぶらりしてきました。

映画のロケ地などになり、「天空の城」として国内のみならず海外からも観光客の訪れる竹田城。この日は快晴で雲海を堪能できるような気候ではありませんでしたが、まずはふもとの山城の郷まで自動車で向いここから徒歩で城跡を目指しました。

歩くこと40分。入場口で500円を払い、いよいよ階段を上ります。舗装がされていないため、かなり歩きにくかったですが、北千畳、三の丸、二の丸と歩みを進め、いよいよ本丸から天守台へ。ここから見渡せる景色はそれぞれの季節にまた訪れてみたいと思わせる絶景でした。建物が全くなく、石垣だけにもかかわらず往時の雰囲気を漂わせる竹田城跡あっぱれ!でした。

そして翌日は姫路城へ。平日の雨にも関わらず、海外からも多くの観光客が訪れていました。入場口で1000円を払い、地階から見学を始めます。白く華麗と評される外見と違い、内部は軍事的要素が満載で、「石落し」や「武者隠し」など見どころばかり。一番上の六階には、江戸時代、城内の小高い場所に鎮座していたという長壁(刑部)神社が祀られており、公が管理されていても史実にのっとってお社を祀っておられることに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

大変だったことといえば六階までの階段が急なこと。特に降りるときは上から誰かが落ちてこないか、とても心配になったほどでした。また仕方がないことですが、靴を脱ぐことも不便さを感じざるをえませんでした。2日続けての城めぐりは足腰にもきました。

わざわざ行ってみたお城をぶらり。尼崎城は「駅近」「エレベーター付き」という究極の近代風天守なので、竹田城跡や姫路城のような心配はなし。でも季節感なし、歴史的価値なしだけに、得意のマンパワーで城下の雰囲気を醸し出すしかないのでしょうかね?城下の宗教者も要協力です!


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンなお社きふねさんの第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。ラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」(FMあまがさき毎週水曜日夜8時~)も好評放送中。podcastも。