神主のぶらり街歩き

連載第36回 若竹(わかたけ)体操教室へぶらり

年が明けてから1か月弱が経過し、忙しさも落ち着いたのでウォーキングを再開しました。夕食後、40分程度神社周辺を歩いています。やはり気になるのは空き地。その中の二つの物件は地鎮祭の依頼をいただきました。これって、ウォーキングの際に「ここの土地は神事をするのかな?」と考えながら歩いている効果ですかね?

さて、この土曜日も夕食後、出屋敷付近を歩いていますと、竹谷小学校の正門から体育館へ向かう子どもさん達の姿が…。気になって後を追ってみると、体育館の中で体操教室が行われていました。出屋敷居住歴約50年の私ですが、地元で初めて目にする光景にしばらく茫然です。

お世話をされているのは赤木登さん、51歳。ご自身もこの体操教室に通われていたそうで、40年以上の歴史を持つ体操教室です。幼稚園年中から中学2年生まで41名が所属し、毎週土曜日に教室が開かれています。この日はこの冬一番の冷え込みでしたが、元気よく子どもたちが集まっていました。

18時になると、全員整列して「こんばんは」の挨拶。その後、年齢別に分かれてメニューに取り組みます。私の目の前にはまだ4、5歳の子どもたちが7人。一生懸命走ったり、柔軟体操をしたりする姿がとてもかわいいのですが、中にはすでに運動神経の良さを見せる子どもも。

一方、奥の方では、小学校低学年の子たちがマットを使って側転したり、高学年の子たちが跳び箱を跳んだりしています。それぞれにコーチがしっかりついていて細かく指導も行われています。また、中学生は空中で回転するなど、大技を連発。小学生たちにとっては憧れの存在なのかもしれません。

現在、尼崎の中学校に体操部は一つもないそうです。アスリートは市立尼崎高の体操クラブに参加することができるそうですが、そこまでレベルが至っていない場合、小学生まで体操を頑張ってきても、中学生でそれを続ける環境がないことを赤木さんは憂いておられました。

「体操好きな子どもたちの未来を奪わないで!」との思い、みんなも「わかったけ~?」。以上、若竹(わかたけ)体操教室からお送りしました。


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンなお社きふねさんの第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。ラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」の過去の放送はインターネットでお聞きいただけます。