スナックの基礎知識

まちにあふれるこの気軽で楽しい酒場について、実は意外と知らないことばかり。その歴史や業態について解説しよう。

Q1.スナックってどんなお店?業態とルール

スナックは、「ママ」と呼ばれる女性が接客する、カウンターがあって、お酒を飲める飲食店のことを言う。全国に10万軒ほども存在すると言われている。

基本的には「接待」はしない。この定義は難しいが、お客さんの横に座ってお酌をしたりする行為は、風俗営業になることも。「飲食店」または「深夜における酒類提供飲食店」であるスナックは、あくまでもカウンター越しに、ママや店員さんが給仕するというのが原則になっている。

ボックス席の存在やカラオケを一緒に歌うなどが、接待に含まれるかどうかは、グレーなハナシだとか。

Q2.なぜスナックって呼ぶの?語源と歴史

もともとは「スナックバー」、つまり「スナック(snack)=軽食」を食べることができる「酒場(bar)」が語源。1959年に風営法が改正され、キャバレーやクラブへの規制が厳しくなる中、「うちは飲食店としてスナック(軽食)を出しています」というアピールのための名称が定着したわけです。かっぱえびせんや柿ピーが出てくるのには理由があったわけだ。

Q3.いくらで楽しめるの?料金システム

飲み物とチャームと呼ばれる小鉢料理やスナック菓子を含む「セット料金」というものが設定されており、3000円から6000円くらいまでと、お店によって異なる。

このセット料金にママやスタッフの飲み物代を加えて最後に支払う。レストランのようなメニューはないし、はじめてのお店だと不安も多いので、恥ずかしがらずにあらかじめ予算を伝えてママに相談するのがおすすめ。人数が多かったり、お店を気に入って通いたくなったらボトルを入れるのがおトク。カラオケは歌い放題だが、店内の空気を読んで、他のお客さんと譲り合おう。

Q4.最近ブームなの?最新事情

バブル景気の後退とともに下火になっていたスナックが、地方を中心に細々と続いていて、独自の進化をとげていた。2000年代に入り、デフレが続き景気が悪化すると、お会計の安心感やママの世代交代による若返りなどから、密かにスナック人気に火がつきだす。

空きテナントが目立つスナックビルの家賃相場が下がり、若い女性がスナックという業態に注目し、出店が続いている。これらは従来のスナックと区別して、ニュースナックと呼ぶようになるなど、街の社交場が生まれ変わりつつある。

東京でも文化人を中心にこの業態に注目。雑誌の特集記事や、個性的なママのキャラクターを紹介するテレビ番組が増えたり、愛好家であるタレントの玉袋筋太郎氏が社団法人「全日本スナック連盟」を設立するなど、スナックを取り巻く動きがにぎやかだ。尼崎では「ザ・スナッカーズ」によるWebサイト「尼崎スナック漫遊記」が連日界隈のスナックの魅力を伝えている。