私をスナックに連れてって佳子[yoshiko] 尼崎中央

人のつながりや街の居場所が大切と言われる一方で、今も市内に208軒。コンビニの数よりも多いけれど、行ったことのある人は意外と少ない街の社交場「スナック」に、街のセンパイたちに連れて行ってもらいました。

私の話とメロディを聞いて

ママ佐藤佳子さん
18才で水商売の世界へ。尼崎や北新地で修行ののち、27才で尼崎中央に自店をかまえたすごいママ。

センパイ貴布禰神社 江田政亮さん
「神主のぶらり街歩き」も連載する尼崎総氏神の宮司。

永井純一さん
『ロックフェスの社会学』を昨年出した社会学のセンセイ。


私はスナックというものに、ほとんど行ったことがない。とりわけ純情なわけではないが、機会がなかったのだ。「最初は先輩に連れられ、その後は自分が後輩を連れて行くように…」と江田センパイは言うが、ワーキングプアが長かった私の周囲にはそういう先輩はいなかった。

ところで、なぜキャバクラではなく、スナックなのか。佳子ママに「お客さんの年齢層は?」「どんな会話をするんですか?」等と質問するうちに、答えがみえてきた。ママが聞き上手で、とにかく喋りやすいのだ。

大学で教師をしていると、「若い女の子と喋れて、料金が発生しないってエエ仕事やな」と時々言われる。しかし、実は公開講座などで中高年を相手に話をする方が楽しかったりする。なぜなら、やはり聴衆が聞き上手なので喋りやすいのだ。

自分の話をしっかり聞いてもらえると嬉しい。そして誰にでも、話を聞いて欲しい時がある。スナックではそんなコミュニケーション欲が満たされるのか。そして、ママの話が「昔、ドルがあった向かいに…」という具合に、しばしば昔の地理情報から始まるのは、一旦脳をタイムスリップさせて、お客さんから会話を引き出すテクニックなのか。

真理に近づいたところで「ほな歌いや」とカラオケが強制スタート。こちらの意向はお構いなしにマイクが渡されたので、「大人の階段登る~」とうろ覚えのメロディを歌う。横で豪快にハモるセンパイの声が大きすぎて、とても歌いにくい。

この日のハイライト

最新のカラオケシステムでも選曲は『思い出がいっぱい(H2O)』。懐メロをハモるのがお好きなよう。

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