サイハッケン 尼のアマさんがお寺を開く。

明日誰かに話したくなる尼崎南部の知られざる話題をご紹介。「あれちょっと調べてきて」という情報も募集中!

終始和やかな雰囲気の記者会見。団姫さんの半生とともにお寺への思いが語られた。全国で廃寺が広がるなか、新たな開山は天台宗でも珍しいのだとか。

「記者会見のご案内」が編集部に届いた。送り主は露の団姫(つゆのまるこ)さん。かつて『南部再生』46号「尼ちゃん」特集の巻頭を飾ってくれた「尼のアマさん」からのメールに期待を膨らませながら、ホテルヴィスキオ尼崎の会見場を訪ねた。

改修してお寺になる元割烹料理店。

「このたび、尼崎でお寺を開山させていただく運びとなりました」。壇上でフラッシュを浴び、話し始めた団姫さん。落語家で天台宗僧侶という彼女が、ついに尼崎に拠点を構えるという。お寺の名前は「道心寺」。場所は西長洲町で、阪神尼崎駅から北へ徒歩10分という立地にあった元割烹料理屋を改装して、本堂を建設する。

構想は6年前から。尼崎市内での物件探しに苦労し「西宮や芦屋に浮気しようかと思ったこともありましたが、やっぱり尼のアマさんって言いたいですしね」と、今回の物件に巡りあった。落語会や講演会、テレビでも活躍し全国を飛び回る彼女が、尼崎にお寺を開こうと思った理由は何だったんだろう。

落語好きだった両親の影響で落語家を志した団姫さん。高校時代には「死んだらどこにいくのか」という根源的な問いにとりつかれ、宗教哲学に夢中になる中、法華経と出会った。高校生の多感な時期に自殺願望をいだいたこともあったが、仏教の教えと出会い踏みとどまることができたという。少しでも自死を減らしたい 開山にはそんな思いが込められている。

「地域の大人として街にかかわり、気軽にお悩み相談に乗れるような場所にしたい」という団姫さん。お寺には舞台を作り、寄席小屋としても月に3回は落語会を開く予定だ。

で、ここからが会見の本題。2020年春の開山に向けて、建設費や運営費の寄進を募っている。寄進額は3千円からと手頃なことや、返礼品として縁日寄席の招待券がもらえるのもありがたい。団姫さん自ら阪神尼崎駅前や商店街で托鉢に立つことも。みんなで作る新しいお寺、最初の目標額は3千万円だ。

プロジェクト詳細や寄進の申し込みは 道心寺(仮)プロジェクトホームページ

doshinji9@gmail.com
TEL:︎06-7175-0005
(平日10時~17時)


取材と文/若狭健作
団姫さんの新刊『女らしくなく、男らしくなく、自分らしく生きる』にグッときている42才おじさん。