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R75的大流行 貯筋通帳歩数集めてグッズをゲットだぜ

尼崎市が介護予防事業として2004年にスタートした「いきいき100万歩運動」。予算をかけずにできることを、と考案されたのがこちらの「貯筋通帳」で、ダジャレが功を奏したのか、65歳以上の登録者は7382人にのぼる。

尼崎のR75世代が必死で集めているものがある。それは歩数。「貯筋通帳」なる手帳に毎日記録し、累計歩数に応じてキャップやジャンパー、リュック、7色のタオルなどのグッズがもらえる「いきいき100万歩運動」という事業が盛り上がっているのをご存知だろうか。

対象年齢は65歳以上。参加できるのは介護保険が適用される年齢から、というアダルトオンリーな企画だ。当初は「100万歩」をうたっていたが、事務局も予想だにしなかった5千万歩達成者があらわれているという。

朝6時の阪急塚口駅で出迎えてくれたのは中村嘉行さん(82)。今年6月に二人目となる5千万歩を達成したトップウォーカーだ。「じゃあちょっと歩きながら話しましょうか」と軽い足取りで南へと向かう。

まちでグッズを見かけたら尊敬の念とともに声をかけたい。

30才をすぎて歩きはじめた中村さん。はじめは1日500メートルを1週間。次の週には1キロ、と徐々に距離をのばし50年近く毎日欠かしたことはないという。多いときは1日3万歩近く歩く。2004年に貯筋通帳の存在を知り、記録をつけはじめた。記帳は1日1万歩と上限が定められており、18年8月現在の累計貯筋額は5087万歩に。

手に入れた記念品は「自分の歴史」とすべて使わずに保管している。運動靴をわずか4カ月で履きつぶす筋金入りのウォーカーは、毎週歩くコースを変えるこだわりを持つ。

「市内に歩いたことのない道はない」という中村さん。この日は、塚口の自宅からかつて住んでいた東難波町や中央商店街を通り、阪神尼崎駅を往復するおよそ2万歩。夕方にさらに1万歩歩く予定だという。

「僕よりひと月先に5千万歩を達成した人がいるので、いつか追いつきたい」と年に3回登録者に届く「ひゃくまんぽ通信」でライバルの動向をチェックしている。