R75+ ホットスポット
がんばるシニア、高齢者の生きがい、なんてくくってしまうのはもったいない。
75才をこえた人生のベテランたちが楽しむ、知られざるR75の世界。尼崎で暮らす後期高齢者のリアルをお届けする。
(特集取材)立花莉絵子、若狭健作、香山明子
R75的大流行 いきいき百歳体操大人気で入場制限 R75熱狂の体操とは?
高知市が開発した重りを使った筋力運動。イスに腰かけ教則DVDにあわせて、手足の運動や起居を行う。重りは尼崎市から無料で貸し出されており、重さを調節できる優れものだ。それを足首や手首に巻き付け体操をする。
毎週木曜日、阪神出屋敷駅高架下にある竹谷連協コミュニティ会館がR75世代であふれかえる。2015年7月にスタートした「いきいき百歳体操」。会場入り口には「収容人数を越えているので、新しい参加者をお断りします」と貼り紙があるほどの人気ぶりだ。主催するのは竹谷ふれあいまちづくり協議会。登録者は当初の60名から現在115名と倍増し、今や会場に収まりきらないのだという。「うちの平均年齢?ちょうど75歳くらいかな」というのはお世話役の伴公子さん(年齢は内緒ですとのこと)。
「靴を間違って履いて帰る人が多いので、気をつけてくださいねえ」と彼女のアナウンスがはじまると、会場からは笑いがおこる。体操のあいだもニコニコととにかく笑顔の人が多い。現在市内127グループに広がる百歳体操の中でも、トップクラスの動員数を誇る竹谷地区。その理由を聞くと「伴さんが面白くて参加している人が多い」と話す女性も。
「体操の日が一週間で一番楽しい。最初は立つのも難しかったが、どんどん体が動くのを実感している」と話すのは92歳の女性。会場の定員オーバーのために違う会場へと移った人は、「やっぱりこっちの雰囲気が好き」と戻って来たそう。
「体操後のお茶会でお喋りしたり、友達ができるのが楽しいようです。体操は今の時代に求められています」と伴さん。健康になるのみならず、新たな出会いのきっかけにもなる竹谷のいきいき百歳体操は、R75の激アツスポットだった。