アーティストと地域がつながる場所に

アトリエ付きシェアハウスにひかれる作家からの問い合わせも多いが、現在は満室。

市場を東へ抜けたところにあるビルの3階。カラフルなポップアートが飾られた空間にテーブルが並ぶ。壁一面のペイントに芝生スペースなど、センスあふれるインテリア。何かのショールームと思いきや、ここはアーティストの創作活動のために作られた場所だという。2018年9月にオープンした「シェアアトリエバンビ」を訪ねた。細密画作家Bambi(バンビ)として自らも活動する林雅人さん(32)が、施設の立ち上げから管理を手がけている。

京都出身、大阪を拠点に活動していた彼がなぜ杭瀬にやってきたのか。「最初は杭瀬って名前すら知りませんでした。この場所に出会ったのは本当にたまたま。創作活動の縁でビルのオーナーにつながったんです。絵の具を使える広い場所がなかったり、作家は孤独になりがちという自分が感じていた悩みを解決しようとシェアアトリエの企画を提案しました」という林さん。住まいもこのビルの4階に自分たちで作ったシェアハウスで、Webディレクターや漫画家、ボディペインターといった同じく創作活動をする仲間と5人で暮らしている。

「僕が絵を描く理由は人とつながるため。創作活動を通じて仲間が増えてきた経験から、若い作家にもその機会を提供したくて」とシェアアトリエに込めた思いを語ってくれた。ところで1年経って杭瀬のまちの印象は変わったのだろうか。「最初は正直、結構すたれているなと思いました。でも住んでいると特に困ることはないし、新鮮な食材も買えるし便利ですよ」という彼は、新しくオープンしたamareの二人と出会い、9月には杭瀬アクションクラブに初めて参加した。「やっと地域の人たちに出会えました。これから杭瀬のまちだからできる企画を僕らなりに考えていきたいです」。アーティストと地元住民との化学反応に期待が高まる。


シェアアトリエBAMBI(バンビ)

9~14時は予約での貸切利用のみ。14~21時はシェアアトリエとして1日500円で電源、wifiなどを使うことができる。ご利用の際は事前に連絡を。電話06-6415-8319またはLINE bambibamai123へ。