今こそ杭瀬団地に住んでみたい

通勤に便利で、美味しいものが安く買えて、楽しく飲めるお店もある。JR尼崎駅まで自転車なら10分もかからない。もはや住宅地として可能性しかない杭瀬。昭和30年代に憧れの的だった「杭瀬団地」にも今なら手が届くかも。

やっぱり団地が好き

杭瀬団地といえば、1967~69年にかけて分譲された全30棟、約1000戸の市内屈指の大規模団地。今回、案内してくれた「藤井不動産」の田中専務は、社内きっての杭瀬団地通だ。何せ毎週、団地を案内しているという。「賃貸物件も多くて、杭瀬界隈で3DK~3LDKの駐車場付きで6万円台はとにかくお得!」と教えてくれた。周辺の月極駐車場の平均相場は月1.5万円。それが、居住者の高齢化から余裕ができた杭瀬団地では、なんと月5500円!(しかも2台目も7500円で借りられる)。家賃と駐車場代を合わせると、杭瀬団地がファミリー世帯にぴったりなのがわかる。

この日は最上階で5階の部屋を案内してもらった。間取りは新築時からのオリジナルで4DKの田の字型の間取りだ。全戸南向きで、日当たりの良さは抜群。最上階ゆえ空が近く、開放感満点だ。各部屋は4.5帖から6帖でコンパクトながら、どの部屋も明るく南北に風が抜ける。これが現在400万円で売りに出ているという。エレベーターがないため、上階ほど安くなる傾向らしい。

他にも、下階にリビング、上階に3部屋という間取りで、戸建て感覚で住めるメゾネットタイプの物件もあるが、室内での上下移動があるため、最近は人気薄とのこと。ということは、上階のメゾネット物件が一番お得に入手できるということか。「最近は300万円台の物件をありますよ」と田中さん。

4DKから3DKに改装された賃貸部屋の間取り図。家賃6.2万円。
窓から景色からは気持ちの良い「抜け」が味わえる。

こうした格安物件を購入して、150万円から中には1500万円もかけた大胆なリノベーションをする人もいるそうだ。実際、リノベ目的で売りを待つ業者や個人客も。いかにも団地らしい外観とエレベーターなしを許容すれば、ドアを開ければ、自分好みの空間を自在に作れる。敷地内には集会所あり、公園あり、各戸に専用ガーデン区画まで。JRの最寄駅は人気の「尼崎駅」なんて、やはり杭瀬団地は魅惑の物件だった。


藤井不動産

不動産関係の記事ではいつもいつもお世話になっている藤井不動産。今回選んでくれた団地物件の他、商店街や市場の店舗やファミリー向けの一戸建てなどの相談にも応えてくれる。