メガネ、メガネ… 今回のお題は【藤棚】

尼崎で見つけた気になる光景。ほぼ妄想
写真と文:山下祐生

「ふじだな」。え・・・なんて? 久しぶりに聞いた。ふじだなって藤棚? あの小学校の校庭にあった? 手洗い場の横にあっていい感じの日陰になってるあれ?・・・完全に忘れてた。藤棚なんてここ30年考えたこと無かったわ。懐かし…藤棚ね、ふじだな。あったな~。いや、まだあるんか。どこにあるん?

柱!桁!梁!
白亜の石柱
石、鉄、木
スチームパンク柱
三連、中央屋根
VIP用ソファ席
サバンナダナ
扇舞台、扇棚
2組限定立食可
藤植える土いと遠し
幹逞しく花白く
棚席地柱、角角角丸
土台たっぷりしっかり

眼鏡人語
4月上旬、ネタ探しに週末の公園に足を運ぶ。これまでいまいち書ける気がしなかった藤棚を改めて集めてみようと。スカスカ屋根の下にちょっとだけ椅子が置かれたスペース。これ「藤棚」で間違いないんやろか。藤無いけど。言ってても始まらないのでとりあえず撮影。おじいさんに「役所の方ですか? がんばってね」と励まされながら。おそらく近所の人が葉桜気味のお花見を賑やかに楽しんでいる。藤棚。公園をいくつか回ると素材、意匠、構造それぞれ違ったものがあってなかなか良い。小さめの公園、年季の入った公園のいくつかでは実際に藤が這わされていた。ちょうど咲き始めなのか、紫や白の花がちらほら。ごく軽く覆われた新緑と花の袂に入るといくぶん涼しく、まるで私の周りだけ時間が止まったような…あれ? これ、めっちゃ渋ない? 花見客を横目に、一人藤棚でエッセイたれてんの、めっちゃ渋いやん…桜が散ったら渋花見。これしかない。


やましたゆうき
37歳。趣味はめだかと雑草と胡蝶蘭への水やり。