Do you 農?

親子で探る“都市農家”の可能性 島中貴史さん(稲葉元町)

「大きくなったら農業をやる」。両親や祖父母の姿を見てきた貴史さんにとってそれは当たり前の感覚だった。すると「そんなん江戸時代からやってるよ(笑)」と父親の新二さん。武庫川の氾濫による土砂の堆積地である尼崎は、水はけが良く古くから葉物野菜の名産地。親子の何気ない会話に、知られざる歴史を垣間見る。

都市部農業の難点は環境の変化。畑の隣にマンションが建つなんて日常茶飯事。それでも「日陰でも伸びやすい品種を植えたり、工夫すれば大丈夫」と動じない。むしろ尼崎の利便性を味方にした農家の可能性を探っている。「消費地に近いぶん新鮮なものを届けられる。もっと売り先と近くなって、”地産地消“を実践していければ」。地元の旬を守るのは私たち消費者の問題でもあるわけだ。


島中さんの野菜

JAや尼崎市場に卸しコープこうべ尼崎近松店などに出荷される。島中さんに限らず、地元野菜には「尼崎市内新鮮やさい」のしるしが。