神主のぶらり街歩き
連載第7回 尼崎スポーツの森でスケート
ウォーキングに出掛けようとしたら、妻に呼び止められた。「たまには子どもも連れて行ってよ」。極端に少子化の進む尼崎南部で子どもと遊べる場所?と思われるかも知れないが、意外にも子どもの遊び場に事欠かないエリアであることを皆さんはご存じだろうか。
気候の良いときには元浜緑地公園で半日は余裕でつぶせる。市外に住む友人家族と出会うことも多く、家族揃って無料で遊べる阪神間の人気スポットの一つのようだ。そして寒い冬には、尼崎スポーツの森にある「アイスケートリンク」がお薦め。平成18年に開催された「のじぎく兵庫国体」の会場となったメインプールが、冬季はスケートリンクとして営業されている。そこでスケート靴を借りて2人の子ども達と滑ってみることにした。
さあ、子どもたちは初体験となるスケート。私もメタボの気配すら無かった25年位前にやったきりということで、みんな揃って恐る恐る一歩目を氷の上へ踏み出した。「ん! 結構いけるやん」。昔取った杵柄ということで、私は何とか滑ることが出来た。問題は子どもたちだ。私やリンクの壁にしがみついて動くことすらできない。こりゃ大変だな、と困っていたところにご婦人が近寄ってこられた。「自転車に乗るみたいに両手を前に出してごらん。そして氷の上を歩いてみて」と指導が始まった。ここらへんが”尼崎“ならではだ。
すると2人はロボットみたいに歩き出した。10分後には少し滑っている。1時間、2時間、ほとんど休むことなく滑り続けていた。一方の私は普段使わない筋肉の痛みに10分毎に休むという情けなさ。しかし休憩中に、西宮在住で先日娘さんが中学受験を終えたばかりの友人家族に出会った。「スケートだけは合格するまでは来たくても来られなかったからな…」とお父さん。今なら思いっきりスベれるね。おめでとう。
「えっ、今回は歩いてないやンって?」。う~ん、”ぶらり森滑り“ということで許しを…。
江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンな南部のお社きふねさん(貴布禰神社)第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。