南部百景 第35景 商店街で「工都」を感じる/第36景 平左衛門町にて

商店街で「工都」を感じる

中央商店街から、大きな煙突を臨む。阪神工業地帯の中核都市として栄えた尼崎を、市民は誇りをもって「工都」と呼んだ。地方から仕事を求めて労働者が集まり、商店街は買い物客でごった返した。そして現在。さすがに高度成長期の熱気は少し色あせたが、工場は今もそばにあり続ける。■綱本武雄

平左衛門町にて

尼崎市内で、いかにも工場地帯!と感じられる場所は、案外少ない。それでも、こんな風に近づいてみれば話は別だ。市南西部の平左衛門にある武庫川下流浄化センターを海から見ると、昼間は複雑に絡み合うパイプが圧倒的な迫力で迫り、夜は無数のライトが幻想的な輝きを発している。