市史読む人々

「分厚くて読みづらい」という市民の声にこたえ、1994年にはじまった「『尼崎市史』を読む会」。わがまちの歴史を学ぶ知的なおとなの集まりにお邪魔した。

わがまちを知るおとなのたしなみ

尼崎市史を読む会
第3木曜・18:00~19:30
お問い合わせは06-6482-5246  尼崎市立地域研究史料館

中央図書館セミナー室に30名を超える参加者が集まる。市史や図説(左記)のコピーが配られ、授業がスタート。史料館職員や執筆者自らが教壇に立ち、読み上げる会は、社会科の授業を思い出させる。熱心にメモを取るのは、50代から70代までの参加者たち。居眠りは見当たらない。

この日のテーマは「明治維新の地租改正と学制」。尼崎の学校がどのように作られたのか、わがまちのルーツを探る興味深い内容だ。テーマは、古代・中世と近代が交互に選ばれる。「古代の方が歴史ファンには人気です」と講師を務める辻川敦さんが教えてくれた。

参加者の永野昭一さん(65)は「住んでいる街のことをもっと知りたくて」と毎回欠かさず出席する。この日で148回を数える会。読破への道のりは長い。

歴史にふれる尼崎本たち

入門者から郷土史家まで、「尼崎をもっと知りたい」にこたえてくれる2セット。全巻揃えて書斎にズラっと並べるもよし、図書館や史料館で少しずつ読むもよし。

尼崎市史全13巻・別冊1
昭和40~60年代に編纂された、尼崎を知るためのバイブル。第1~3巻が本編で通史。4巻以降は資料編、別編。現在は入手困難なものも。


図説尼崎の歴史
従来の市史に現代史を補充し「ビジュアルにわかりやすく」作られた。全頁カラーで写真や地図が多く、読みやすい。史料館で購入可。4200円