サイハッケン 鉄道マニアの聖地が尼崎にできた。

長く住んでいても意外と知らないまちの愉しみ。「へえ~」と目からウロコの再発見!
ディープサウスの魅力をご堪能ください。

ジオラマの周囲ではビギナー、マニアを問わず熱気むんむん。オープニングイベントには「鉄ドル(鉄道アイドル)」もやって来た。

いま「鉄道」がアツい。一時はアニメやゲームに象徴されるオタクカルチャーに圧倒され影の薄い感のあった鉄道趣味とその愛好者たち。鉄ちゃん、鉄子、テツ…呼び方はさまざまなれど、そんな盛り上がりをみせる鉄道ファンの追い風となるべく潮江に登場したのが「HOBBISTA(ホビスタ)」である。

目玉はなんといっても、西日本最大級140平米の巨大ジオラマ。15分間隔で昼と夜が変わる照明の下、京阪神の街並みが再現された、スケールのでかいミニチュア世界が繰り広げられている。隣では、名古屋と広島のジオラマを制作中。ゆくゆくは、四季の変化を付けることも構想しているという。

自分の車両を持ち込んで走らせることもできる。先頭車両に搭載したカメラの映像が見られる運転席には、実際に営団地下鉄で使用されていたブレーキとノッチ(アクセル)を搭載。さながら自分が運転手になったかのような臨場感と爽快感を味わえる。多くのマスコミに取り上げられ、全国から問い合わせが殺到している。

そのジオラマの周囲を鉄道専門店、ジオラマショップ、大型総合模型店、ヒーローフィギア専門店、カフェ&ダイニングが取り囲む。多くは関西初出店。技術力や実績には定評のある店がそろっている。鉄道模型が欲しくなったり、ジオラマを作りたくなったら、すぐに購入・相談することができるし、カフェでお茶や食事を楽しむこともできる。

場内は鉄道ファンでいっぱいかと思いきや、鉄道模型を握りしめた小中学生(彼らの間でもいま鉄道はアツいのだ)や、目をキラキラさせた子供を連れたファミリーの姿も目立つ。大人も子供も夢中になって時間を忘れてしまう、夏休みに1度は訪れたい空間である。


HOBBISTA(ホビスタ)

入場無料、Nゲージレンタルは平日50分600円。有料で車両レンタルも。
潮江1-16-1アミング潮江2番館3F
10:00~22:00
TEL:06-6494-9885


永井純一
1977年尼崎生まれ。現在、関西大学ほか非常勤講師。専門は文化社会学・メディア文化論。