アマとシマをつなぐ人
本場も認めた、熱きエイサー
「あの頃は沖縄に飢えていた」。沖縄3世の比嘉さんは、エイサーをはじめた頃をこう述懐する。ウチナーンチュだけど尼崎で生まれ育った自分。沖縄とは何なのか。沖縄で生まれなかったことを悔しいとも思った。そんな時、出会ったのがエイサー。太鼓を打ち鳴らし、掛け声を上げて舞う青年たちの姿に、「コレや!」と直感した。仲間を集め、1995年、琉鼓会を結成した。
実家の工場に夜な夜な集まり、一心不乱に太鼓を叩いた。99年には沖縄の「全島エイサーまつり」に本土の団体として初めて参加。本場に認められたのだ。関西では、震災時の慰問や琉球フェスへの出演。なかでも大事にしているのは、原点である戸ノ内町での「道じゅね」。勇壮に練り歩く彼らの姿は、地域の人にとっても、もはやなくてはならない存在になっている。
琉鼓会公演スケジュール●9/1尼崎市戸ノ内町道じゅね・10/21琉球フェスティバル・10/28琉球まつりin長田など