ここは魔窟なのか 映画に登場するアマ

人生に絶望とあきらめを抱え、この世に自分の居場所はないと思いつめて、兵庫県尼崎に流れ着いた生島与一。古いアパートの一室で、来る日も来る日も臓物を串に刺す作業を続ける。そんなある日、彼の前に綾という女が現れた。生島は、彼女の「この世の外へ」という一言に誘われて、死出の旅路、赤目四十八瀧を登ることになる。

映画「赤目四十八瀧心中未遂」は車谷長吉の1998年第119回直木賞同名作品が原作である。

私たちの尼崎は、身を持ち崩し、落魄の果て絶望のすえに流れ着かれてしまうまちとして描かれる。日中ヤクザの取引が横行し、病肉が商われ、まぐわいの声が聞こえるアパートの前の部屋は刺青師というようなまち。

こんなとこに住む奴らって一体どんな輩だろう、とここに巣くう者は要チェック。

「赤目四十八瀧心中未遂」(2003年)

監督:荒戸源次郎
キャスト:大西滝次郎・寺島しのぶ・大楠道代・内田裕也
近鉄小劇場で11月10日・11日、12月15日~17日ロードショー