「下町らしさっていうんですかね。それがまた楽しい」リサイクルブティック CHAT HOUSE店長 吉識あゆ子

「おかえりなさい」。立花にあるリサイクルブティック「CHAT HOUSE」を訪れると、明るい声が迎えてくれる。「昔から人と接するのが好き」という吉識あゆ子さん(31)の笑顔がそこにある。短大卒業後、伊丹空港のグランドホステス(地上勤務)やエステサロンなどで接客の経験を積み、自宅近くに店を開いたのは4年前。

「お店の仕事と日常生活を分けるんじゃなく、生活の延長にお店があるみたいな感じにしたかったんです」。だから、お客さんとの距離が近い。「ほとんどが地元の主婦の方々。買い物帰りに毎日のぞいてくれる常連さんもたくさんいますよ」。

有名ブランドのスーツ、バッグ、靴やアクセサリー。ずらり並んだ商品はほとんどお客さんの持ち込み。大手のショップのように買い付けに行かなくも商品が揃ってしまう。小さなお店だからお客さんの好みも把握しやすい。

「新しく入った品が常連さんの好みだなと思うと、次に来られる時まで取り置きしておく。そうやって売り手と買い手をつないでいくんです」

店名には、楽しくおしゃべりしながら買い物ができる店に―と願いを込めた。尼崎の土地柄か、吉識さんの人柄か、思い通りの雰囲気ができた。

「入荷したばかりで、まだ値札も付けていない品を見て『これいくら?』とか、『どれだけ値引きしてくれるん?』とか(笑)。下町らしいっていうんですかね、それがまた楽しいんですけど」

生まれ育った街。商売を通じて、人と人をつなぎたい。笑顔という最高のサービスを付けて。

CHAT HOUSE

1999年JR立花駅の北側にオープン。「毎日新しい商品がお店に並ぶので、気軽にのぞいてください」と吉識さん。
立花町4-2-4 11:00~19:00 日曜定休


特集後記
「若々しさや未来への可能性が感じられない」という読者の方の感想から今回の特集はスタートしました。「南部再生」編集部のメンバーは20~30代がほとんど。そうだ、僕たちも若かった。ノスタルジーなアマのよさもいいが、今を生きる若者の声がもっと聞きたい。そう思い挑んだ特集「若者のすべて」。今回インタビューした方々はみな、かっこよすぎるくらい真っすぐでアツかった…。■W