市役所に行って聞いてみました。「どんな人が住んでるんですか」

8割が市内からの転居

地上13階建て 尼崎市の分譲住宅イスティ

尼崎市の分譲住宅「尼崎イスティ」への入居者は8割が市内から。入居世帯の半分が50才以上の世帯。市開発課担当者は「多くは阪神沿線からの移転でしょう。阪神沿線の利便性と長く住み慣れた生活環境を求めての購入が多いのでは」と推測する。武庫之荘や塚口といったまだ農地が残る市北部と、商店街や事業所の多い南部では生活環境に大きな違いがあり、北から南へと転居するケースは少ないようだ。

空中回廊がリニューアルの決め手に

ルネセントラルタワーから見た空中回廊

「庄下川の東側は駅前なのに不便でした。現在の好立地の決め手はやはり川をまたぐ空中回廊でしょう」と尼崎市開発課の辻本参事。

1990年、これまでの阪神尼崎駅周辺のイメージをくつがえす「都市拠点整備計画」が発表された。この一大リニューアル計画では駅周辺36ヘクタールが巨大空中回廊で結ばれ、これまでアクセスが不便だった庄下川東へと駅前エリアが拡大することになった。総合文化センターがあるアルカイックスクエアへのアクセスも充実。「他の自治体からの視察も多い注目のエリアなんですよ」。もともとは密集した住宅地だったエリアを再開発事業で整備、これにあわせて住宅改良事業もと合併施行をおこなった。日本でも数件しかない先進事例だそうだ。

「市の構想では北の都市拠点が阪急塚口、東がJR尼崎、西がJR立花。そして南には阪神尼崎駅を位置付けています」と辻本さんは言う。乗客数は以前に比べて減少した阪神尼崎駅だが、この一帯の開発で再びアマの玄関口に返り咲く日は近いのかもしれない。