日常まち歩きの心得 まち歩きって何。散歩とどう違うの?

「散歩」の目的は気晴らし・運動など様々で、旅行の場合には景色を楽しむ事や、散策、買物までも含まれるかもしれません。これに対し「まち歩き」ではどんな状況でも「歩く」目的が「まち」にあるのです。まちを見て、知って、体験する。調査風なイメージもあります。

自分の住んでいるまちをどれだけ知っているでしょう。そこで一つ。いつも歩く道を周辺のものも含め地図に描いて下さい。これを「イメージマップ」といいます。本物の地図と比べて、どれだけ正確なものが描けてますか?イメージマップを描く事で自分が見ているものが分かります。何人かで同じ地域を描き比べると、描かれるものの違いや、同じものでも違った位置に描かれ、人によって見ているものが違う事が分かります。また、すぐに思いついて描き込めるもの、地図とにらめっこしているうちに思い出したものも人によって違うでしょう。

住んでいるまちは改めて目をやる機会がない。その為に意外と気付いていない事があります。まち歩きの視点を養う事で、馴染みの日常空間がちょっとした探検旅行になります。毎日の通勤・通学がずっと楽しくなるかもしれません。


北尾 琴(きたおこと)
1975年神戸市生まれ 武庫川女子大学 生活環境学部 生活環境学科 建築都市設計学研究室助手