沈まぬ孤島、豆島の値段

藻川と猪名川が交差する園田の南端に浮かぶ小さな島・豆島。山手幹線から見える小さな島だ。大きさは20m×20m=400㎡程度で(満潮時はその半分くらいに)、山手幹線からもよく見える。おそらく、その小ささから自然発生的に「豆島」と呼ばれだしたのだろう。豆島はもともと園田と陸続きだったが、1990年代前後に行われた猪名川の護岸工事をきっかけに川の水が流れ込み、園田の南の剣先が陸地と切り離されいまのような島の形となった。満潮時でも完全には沈まない。

Googleマップでも「豆島」と名前だけ出てくる。ただ、これが正式に島かといったらそうではない。いずれの地図上では川となっていて、豆島は存在していないのだ。法的にみれば、豆島の土地は、河川区域内の土地であり登記簿謄本上存在しておらず、売買ができない。まさに幻の「島」だ。当然、権利上存在していないので誰のものでもないとなるが、あえて言えば猪名川・藻川の河川管理者である国土交通省の管理下にある。

仮に豆島が売りに出されるとしたらいくらだろう。島の対岸の地価は平米7万円程度だ。河川内で建物はおろか看板の建築許可は下りないだろうし、インフラは通っていないわ、漁業権の関係で島周辺で釣りはできないわで、結局は何もできないので、ほとんど値段はつかないだろう。