サイハッケン 尼崎のアマゾンにあまっこがいた。
明日誰かに話したくなる尼崎南部の知られざる話題。「あれちょっと調べてきて」という情報も募集中です。
「配送、通勤のアクセスが良く、全ての条件を満たす最高の立地」と東海岸町で2022年3月から稼働するAmazon西日本最大の物流拠点「アマゾン尼崎フルフィルメントセンター(FC)」が6月、マスコミに公開された。FCには商品が出品業者から集まり、オーダーに合わせてピックアップし梱包、各地のデリバリーステーションへと送られる。1日の出荷量はなんと数十万個。
巨大倉庫のプレスツアーに地元メディアとして潜入した目的は「尼のアマゾンにあまっこがいるらしい」という極秘情報を探ること。かつて尼崎市バスのキャラクターとして活躍した赤い頭巾の彼女の安否確認だ。
まずは最新技術アマゾン・ロボティクスを見学。ずらりと並ぶ高さ2.7メートルの商品棚、それ自体が広い倉庫を縦横無尽に動き回る。まるでハイレベルなマーチングバンドのフォーメーションのようだ。棚は自ら動き、エリアで待つスタッフのもとへ。人の作業を減らして迅速に正確に、ヒューマンエラーを無くすための技術に驚く。
でもここまで機械化すると、最終的に人はいらなくなるのでは?その疑問に渡辺宏聡オペレーション技術統括本部長は言う。「システムはあくまでも人のためにあります。機械は人の代わりではなく、人が幸せに働くために開発されるものです」。

シティプロモーションマスコットとして今も現役。市では着ぐるみの貸出にも対応。
その設計哲学に圧倒されながら、食堂を案内してもらう。「スタッフが、安心、安全、幸せに働けるように工夫しています」という中村泰三サイトリーダー。メニューに利用者の声が反映できるよう、箸の返却箱が5段階の投票箱になっていて、満足度を測ることができる。
なんと、そこで彼女との再会を果たす。「あまっこちゃん!」駆け寄った五つの箱にはスマイルから泣きべそまで、表情の違うあまっこの姿が。「地域とのつながりを大切にしています」という中村さんによると、尼崎のアイドルはトイレでもにっこり微笑んでいるという。
取材・文/畑恵子
しょっちゅう道を聞かれる方向音痴の人