尼崎コレクションvol.24《汽車発着時刻表(きしゃはっちゃくじこくひょう)》

尼崎市内に現存している逸品を専門家が徹底解説。あまりお目にかかれない貴重なお宝が歴史を物語る。

大阪神戸間70分 近代交通の幕開け

尼崎市立文化財収蔵庫第16回企画展「尼崎・近代交通の始まり」は5月20日(土)から7月23日(日)まで開催します。ぜひ、ご観覧ください。

昨年、尼崎市は市制施行100周年を迎えましたが、今年は1877(明治10)年に官設鉄道(現JR東海道線)が京都まで延伸して140周年、1927(昭和2)年に阪神国道(現、国道2号)が開通して90周年、そして1937(昭和12)年に阪急電鉄武庫之荘駅が開設されて80周年、というように尼崎に関わるいくつかの交通機関が周年記念の年に当たっています。そこで、これらを記念して尼崎市立文化財収蔵庫では企画展「尼崎・近代交通の始まり」を5月から開会しますので、その展示資料のなかから「汽車発着時刻表」という、縦38cm、横51cmの大きさの多色刷り木版画を紹介しましょう。

1874(明治7)年、大阪と神戸を結ぶ官設の鉄道が開業しました。これは、その2年前に開業した新橋・横浜間に次いで日本で2番目に古い鉄道でした。本資料には、蒸気機関車の挿絵と大阪・神戸間鉄道が開業して間もない頃の時刻表・料金表が記載されていますが、これによりますと大阪・神戸間には東から神崎(現、尼崎)・西ノ宮・住吉・三ノ宮の4駅が有り、汽車は上り・下りとも1日8便で、大阪と神戸の間を1時間10分で結んでいたことが分かります。また、料金については、座席は上等・中等・下等の3等級制となっており、上等の場合、大阪・神戸間が1円であったことがわかります。この当時、封書の郵便料金は2銭でしたので、単純に郵便料金で比較した場合、1円は4000円程度に相当することになります。当時の鉄道料金は結構、高額であったようですね。

現在の尼崎市域は、明治以降、南部は工業・商業都市、北部は住宅都市としての歴史を歩んでいきますが、その発展を支えたのが鉄道・道路・港湾等の交通機関でした。本資料は、尼崎における近代交通の元祖ともいうべき大阪・神戸間鉄道、そして神崎駅に関する数少ない貴重な歴史資料と言えます。

鉄道ファンも見に来てね!文化財収蔵庫

9:00~17:30 土日祝も開館(月曜休館)
●南城内10-2 TEL:06-6489-9801


桃谷和則
尼崎市教育委員会学芸員 レールや駅名標など、鉄道ファンに喜んでいただける「お宝」も出品しますよ。