神主のぶらり街歩き

連載第17回 クリスマスの世界へぶらり

「8時だヨ!神さま仏さま」(FMあまがさき・火曜夜8時から放送中)では、お坊さんだけでなく、牧師さんとも親しくお話させていただいてきた。関西学院中学部の教諭・福島旭先生だ。いつもユニークでわかりやすくキリスト教について話して下さる福島先生が、関西学院の大阪梅田キャンパスにて講演をされるということでぶらりしてきた。

日本においてクリスマスと言えば、特に24日のイブの日に恋人同士が過ごす日という印象があるが、これは昭和63年にJR東海・東海道新幹線のCMソングとして歌手・山下達郎さんの「クリスマス・イブ」がヒットしてからとのこと。本来はクリスマスとは「キリストを礼拝する」という意味があり、聖なる荘厳な夜を家族で過ごすというのがあるべき姿だそうだ。

ところで、日本において初めてクリスマスが祝われたのは、1552年(天文年間)12月25日。山口県の教会で、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの後任のトーレス宣教師によって行われた。日本人主催で祝われたクリスマスは、その300年以上後の1874年(明治7年)に東京第一長老教会においてだそうだ。

さて、最近は日本でもクリスマスの飾り付けが盛んになってきた。早いところでは11月の初め頃から電飾を飾るところもあるが、あれは間違い。キリスト教で言う新年は、11月30日に最も近い日曜日(11月27日~12月3日)から始まるそうで、救い主を待ち望む時を示すアドヴェントになってから飾り付けを行うのが正しいそうだ。キリスト教の信者さんからすると、早すぎるクリスマスの準備は、正月の飾り付けを12月の初めに行っているように見えるのだろうか。

もっともっと楽しい話をお聞かせ頂いたが、これ以上書くと、キリスト教ファンが増えてしまうかも知れないので、神主からのクリスマスの紹介はここまで。いずれにしても、キリスト教にとってとても大切な時であることは十分理解できた。

帰り道、クリスマスムード一色の梅田の街の様子にワクワクしかけたが、私は神主。当社でも神聖で荘厳な正月を迎えるため、まっすぐ尼崎に帰り…。後はご想像にお任せ!


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンなお社きふねさんの第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。ラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」(FMあまがさき毎週水曜日夜8時~)も好評放送中。podcastも。