後世に残すわがシゴトぶり 特選!尼の市長本

今まで言えなかった苦労や功績を退任後にポロリ。市長がもっと身近になる3冊は尼崎市民ならぜひ読むべし。

阪本勝著『市長の手帖』(新元社・1954年)

文人市長・文人知事として知られ、著作集が刊行されるほどの文筆家であった阪本勝が、主として市長在任中に記した随想を集めたもの。「大防潮堤夜話」「国立労災病院秘話」といった市政の裏面史を描く項目や、「市長室の孤独」など興味深い文章がならぶ。

藤本邦之輔編『評伝六島誠之助』(六島誠之助伝記編纂会・1955年)

戦後公選制初代の市長であった六島誠之助の没後、その業績をしのんで刊行されたもの。戦後復興や防潮堤建設に道筋をつけた六島の奮闘を描く。本書の刊行を発起したのは、戦前来六島の政治的ライバルであり、六島を落選させた阪本勝市長その人であった。

北村仁著『どたばたトホホ ペット屋の尼崎市長選挙』(北村仁基金の会・2008年)

白井事務所事務局長であった筆者が描く、市議白井文の誕生から市長一期目の奮闘までの物語。二期目当選を見届けたのち逝った筆者に向けた、白井自身による巻末の追悼文ににじみ出る想い。尼崎出身で、装丁家として名高い多田和博氏のデザインが光る一冊。


上記の3冊を紹介してくれたのは、尼崎市立地域研究史料館の辻川館長。市販されていない貴重なこれらの市長本は、総合文化センター7階の史料館で閲覧可能です。