尼崎ディスカバリー 旧尼崎警察署

尼崎で見つけた非日常の風景を切り撮る


旧尼崎警察署って見たこと無いけど?という人は多いはず。なぜならこの警察署は人知れず地下に眠っているためだ。閉所後、地下部分のみが封印。現在は一部整備され、明るい雰囲気になりつつあるが、その中に薄暗くジメっとした違和感たっぷりの一画がある。そこは留置所でほぼ当時のまま。近づくだけで重い空気を肌に感じる。多少ほこりっぽい内部の設備は仕切りの低い簡素なトイレのみ。漆喰の壁一面に、拘留者の生々しい落書きが刻まれており「刑事のバカ」という恨み節や「友よ許せ」という切ないものなど、多様なストーリーを想像できて面白い。今後とも現状を保存して欲しいものだ。他にも興味深い落書きが無数にあるので、公開日に是非その目で見て欲しい。

次回公開は10/16(土)10/24(日)の予定


写真・文/小林 哲朗(こばやしてつろう)
フォトグラファー。廃墟、工場、地下、巨大建造物など身近に潜む異空間をテーマに撮影。