尼崎ディスカバリー 尼崎市公設地方卸売市場

尼崎で見つけた非日常の風景を切り撮る


南北約400メートルにわたる広い敷地を持つ尼崎の台所が「尼崎市公設地方卸売市場」だ。この市場内では主に青果や水産物の卸売りが行われているが、中には食事処や乾物屋さん、お茶屋さんなんかもある。中心部となる仲卸業者の店舗スペースは、天井のトラスが美しく、柔らかい光が差し込む。店が建ち並ぶ様子は昭和の街並みをそのまま保存した、タイムカプセルのような雰囲気を持つ。敷地最南部にはマイナス45度の冷凍庫がある。極寒の内部は心臓に負担がかかるため、大人でも20分の作業が限界だという。月に一度市場を一般開放している。


写真・文/小林 哲朗(こばやしてつろう)
フォトグラファー。廃墟、工場、地下、巨大建造物など身近に潜む異空間をテーマに撮影。