第1話「おら、このシュークリームが好きだ!」

ケーキハウスショウタニ パティシエール 和田智映さん

西淀川の自宅から尼崎のお店へは原付で片道40分かけて通勤。休日は話題の洋菓子店を食べ歩く日々。

「とにかくお菓子を食べるのが大好き。家でもクッキーを焼くような子どもでした」と話すのは、2年間の販売業務を経て、9月から念願のパティシエールとして厨房デビューした和田智映さん(23)。調理士学校時代、偶然もらったショウタニのシュークリームに「おいしくて安い!」と衝撃を受け、その美味しさにすっかり惚れ込み、就職を決意したんだとか。

「今日は何個作るの?」と尋ねたら、トレーに乗る個数と焼き回数を指折り数えはじめた和田さん。見かねた先輩から「1300個!」と即答されていた。厨房でも可愛がられる存在のよう。

現在は定番商品の「柚子おまろん」をはじめ、焼き菓子の補助作業を通して段取りを覚える日々。いずれは自分の考案したお菓子をショーケースに、という夢を抱きながら、黙々と手を動かしていた。

第2話「おら、ものづくりがやりてぇ」

(左から)米澤 香奈さん 水船 瞳さん 横谷 真妃子さん

「社内と社外の両方から信頼される人になりたい」という米澤さん(23)。検査担当の横谷さん(24)は「製品は先輩や同僚の仕事の結晶。扱いには神経をつかっています」。「介護系からの転職でしたが、楽しくやっています」という材料調達担当の水船さん(30)。

自社開発の研磨技術で錠剤や自動車部品の金型を作るヤマシタワークス。連日舞い込む注文に迅速かつ正確に応えるために活躍するのが、事務職のあまちゃんたちだ。経歴も入社時期も異なる彼女ら3人に共通するのは、「会社の明るい雰囲気にひかれて」ものづくりの世界へ飛び込んだこと。

メールやファックスで送られてくる図面と仕様を元に材料を発注し、製造ラインの空き状況を確認する。仕上がった製品をマイクロメーターで測って検査したり納品先からのクレームにも対応する。

「お客様からの専門用語の応酬に、最初は泣きそうでした」と振り返るのは米澤さん。足りない知識は現場や先輩に聞いて覚えたという。納期や寸法など、とかく数字に縛られがちな仕事の後は、「誘い合わせてクレープを食べに行くんです」と彼女らの密やかなか楽しみを教えてくれた。