第3話「おら、この街が好きだ!」

佳子[yoshiko] お好みいのうえ オーナー・佐藤佳子さん

1カ月間のお好み修業を経て、コテをふるうようになった佳子ママ。早く「ヨシコのお好み焼き屋」として街になじめるよう夕方5時半から翌朝5時まで営業する。神田北通2-12-11 TEL:6415-0503日祝休

「昔からずっとお好み焼き屋をしたかったんですよ」。尼崎中央のスナック「佳子」のママ、佐藤佳子さん(42)は18才で水商売の世界へ入り、尼崎や北新地で修業ののち27才という若さで、地元に自分のお店を構えた人気ママ。「当時、お好み焼き屋かスナックで迷ったんですが、さすがに20代で“お好み焼き屋のおばちゃん”はちょっと早いかなと思って」と開いたスナックは、今や中央界隈では知られた存在に。そんな彼女が昨年、念願のお好み焼き店の店主になった。

すじ肉やかすを使ったお店「お好みいのうえ」の常連客だったが、縁あって2代目オーナーに。「地元の人が集まってワイワイできる店を続けたい」と夕方はコテ、夜はウイスキーボトルを手に、2軒のお店から尼崎の夜を盛り上げる。

第4話「おら、幼稚園の先生になる」

尼崎市立博愛幼稚園 幼稚園教諭 三谷 由佳さん

昨年のクラスの子どもたちは5歳児に。さらに成長していく姿を見守るのも喜び。尼崎の印象を聞いてみると「あったかい」と話す。顔なじみのお店ができたり、保護者の方と地元トークをしたりするそう。

創立123年、市内で最も歴史ある博愛幼稚園で、4歳児クラスの担任を務める三谷由佳さん(23)。今も親交があるという自身の幼稚園時代の園長先生に憧れて、この道へ。徳島出身、岡山で大学生活を過ごし、昨年春に尼崎へやってきた。就職も、仕事も、人間関係も、生活も、はじめてづくし。

1年目の率直な感想は「大変でした」。常に「子どもたちの成長につながることができているだろうか」など不安の連続だったという。

しかし、それ以上に、この仕事にかける思いは強い。子どもたちが「毎日来たい」と思えるクラスをめざして、クラス全体や一人ひとりの様子を書き出して見つめ直したり、保護者の方に家での様子を聞いたり、家に帰ってからも「今度はこうしてみよう」など考え続けた。そんな彼女に、園長先生をはじめ、園の先生たちは「思いをしっかりと持って、責任感も強い」と信頼を寄せる。

2年目になる今年も4歳児クラスの担任だ。昨年の「もっとこうしたらよかった」という経験を踏まえて、挑戦の毎日。「昨年は何もかも新しいことばかりで必死で、なかなか楽しむ気持ちを持てませんでした。教師が楽しむと子どもたちはもっと楽しんでくれます。だから、今年は子どもたちと一緒に楽しみたいと思っているんです」。