第5話「おら、消火活動さ行くだ!」

消防団 東大島分団 小山千鶴さん

普段は軽自動車しか運転しないが、分団の消防車はランドクルーザーと大型。夜警などの町内巡回で慣らして、出動時の運転も任されるように。

頼もしい先輩団員と一緒に。「団員の中でも千鶴の出動率は高いですよ」と分団長で彼女の叔父でもある小山申次さん(左)は目を細める。

街を火事から守るための住民組織「消防団」。団員はそれぞれ仕事を持ちながら、消防活動に協力する。市内58分団で36名もの女性消防団員が活躍している。その中でも最年少が小山千鶴さん(22)だ。

入団のきっかけは高校時代、家の近所で火事があり、消防団の活躍を目の当たりにしたことだという。高校卒業後、すぐに地元の東大島分団に入団し、分団初の女性分団員となった。いつ何時でも火事が起これば、緊急通報システムで携帯メールに出動指令が入る。たとえ寝ていても布団から飛び出して、出動準備に入る。

消火活動以外にも、月に2回、消防車で町内を巡回。また、「あまがさきファイヤーフェアリーズ」の一員として、他の女性団員らと防火防災の啓発活動に、市内のイベントへも出演する。体力づくりのランニングや筋トレも欠かさない。「将来は救急救命士になりたい」と専門学校に通う彼女。授業中も出動指令メールを気にしながら、夢に向かって忙しい日々を送る。

第6話「おら、こっちの地元も好きだ!」

ラジオパーソナリティ 三宅奈緒子さん

取材で撮影した写真を集めた展覧会を毎年開催。「そこでまた出会えるのが嬉しい。いつか、みんなに集まってもらえるようなイベントをしたい」と新たな夢を語ってくれた。

「中学生の頃から芸能人になりたくて、笑っていいともで五島弁をしゃべるのが夢やったんです」というのは、長崎県五島列島で生まれ育った三宅奈緒子さん(34)。FMあまがさきの看板番組「瓶太・奈緒子のおしゃべりワールド」のパーソナリティを務めて12年になる。人懐っこい笑顔と五島弁トークで地元のおっちゃんおばちゃんに愛される、まさに尼のアイドル的存在だ。

番組開始当初、「やっぱり地元尼崎のことしゃべらんばいかんね」と思い、マイク片手に、街の人への突撃インタビューを重ねた。「みやけなおこと尼人達」と題したこのコーナーで出会った尼人は450人を数える。取材、録音、編集だけでなく、趣味だったカメラで、人々の表情を切り取ってきた。

「みんな全然ちがうったいね。映画や小説よりも面白い」。魚屋さん、農家のおばさん、神主さんといった市井の人の歴史が彼女のマイクを通すと輝きを増すから不思議だ。「全国区のアイドルもいいけど、身近な人に喜んでもらえる存在になりたい」。これが今の彼女の夢なのだ。

『瓶太・奈緒子の おしゃべりワールド』
FMあまがさき(82.0MHz)毎週金曜15:00~18:55。今年4月からはサイマル放送スタート。パソコン、スマホで全国から聴くことができる。