神主のぶらり街歩き

連載第8回 神主さんのふしぎ!?

ウォーキングをしていて改めて感じるのが、神社の多さだ。緑がこんもりとしているなあと近寄ってみるとそのほとんどが神社。私どものご近所でも西には道意神社や琴浦神社、東には尼崎えびす神社、櫻井神社、初嶋大神宮、大物主神社などたくさんの神社がある。それもそのはずで、尼崎市内には66の神社があることを皆さんはご存じだろうか。

人口では抜かれてしまったお隣、西宮市の神社数は30数社。神社というのは各集落に村人の拠り所として存在していたことを考えれば、西宮と比べ尼崎が昔から多くの人が住む町だったことをうかがい知ることができる。

さて、ときどき親しくなった方から質問を受ける。そう、親しくなければなかなか聞けない質問だ。

「神主さんって、普段なにしてんの?」。確かに、正月やお祭りなどは神社が忙しそうに見える。ただ、それ以外の日は何をしているのか謎のようだ。

私どもの場合、1日の生活は、神様への御供えから始まる。その後、5時30分には開門し、参拝者をお迎えする。その参拝者の中に清掃奉仕をしてくださる方がおられ、落ち葉であふれる境内を私どもの家族と共に清掃することもある。

大安など吉日には地鎮祭や竣工祭など建築に関わる出張神事、また土日には初宮詣、11月には七五三など人生儀礼のご祈祷を行っている。会社や工場の安全祈願が多いのも南部に位置する当社ならではだ。また最近は公民館や学校などに呼んで頂き、神社や地域のことについてお話をすることもある。

夕刻に閉門して、1日の仕事が終了。神事よりも境内管理などの雑用をしている時間が長く、装束を着けている時間が極めて短いのが実状だ。

「もう少し突っ込んだ話ですか?」。興味がおありでしたら、近所の神主さんと親しくお付き合いされてから聞いてみて下さいね。私からここでこれ以上は…。(笑)


江田 政亮 えだ まさすけ
だんじり祭り、地域寄席…いつでも尼崎人にオープンな南部のお社きふねさん(貴布禰神社)第17代宮司。「国道43号線にだんじりを走らせたい」と南部再生への想いは日々強まる。