これが シン・アマガサキジョーだ!平成三十年完成決定!

尼崎城の建築及び寄付に関する現状について(報告)

建築場所は尼崎城址公園内。阪神尼崎駅の南東徒歩3分という好立地ではあるが、ここはかつて西三の丸があった場所で当時の立地条件とは異なる。敷地条件から、当時の尼崎城天守(北東隅櫓)を含めた4分の1程度を復元。動線に配慮し、本丸配置は東西反転し、現代工法により整備される。

内部にはエレベーターを配置し、尼崎城や地域の歴史に関する展示に加えて体験型施設などを装備。平成28年着工、平成30年中の竣工を目指す。寄付後は尼崎市が管理運営をおこなう。

日本における城郭復元に関する現状と国内事例比較について(考察)齊藤成人

石垣や櫓が存在する城跡ふくめ、国内に「城」は200近く存在する。中でも天守閣がある城跡は人気で、街のシンボルとなっているケースが多い。

しかし、建設当初から存在する天守、いわゆる「現存天守」と呼ばれるのはわずか12城。ほとんどが想像で作られた摸擬天守、もしくは外観だけ同じにした外観復元天守なのである。先の地震で崩壊して話題になっていた熊本城も、1960年に作られた鉄筋コンクリート造りである。広島城、和歌山城、名古屋城など50年から60年代に、太平洋戦争で消失した天守の復興ブームがおこった。

90年代に入ると、当時の図面通りに復元し、材料も木造で、という天守復興ブームが起こる。白河小峰城(福島県)が先駆けとなったが、中には見映えの点から、天守が本来無かったにもかかわらず、天守を再現してしまった「復元」すらみられる。

入場者数は、姫路城の287万人がトップ、以下は金沢城、大阪城、首里城、熊本城と続く。姫路城以外は現存天守ではない。つまり、人々は本物をみたいというわけではない。城的な雰囲気を楽しんでいるのである。熊本城も大阪城も、コンクリート造りではあるが、街のシンボルとして尊重されている。よって、今度尼崎で、コンクリート造りの城ができるからといって、ニセモノだと非難されるいわれはない。大切なのは、復元された城が街にとってどのような意味をなすかが重要である。

我が国のほとんどの天守が、博物館・資料館である。展望台も兼ねて入館料は300~500円といった相場だろう。日本一入場料が高い姫路城は1000円するが、国宝なので仕方がない。それ以外は、たまに能を開催します、的なものがせいぜいで、斬新なアイデアで城を使って稼いでいるケースは皆無である。

仮に500円の入場料をとったとしても、入場者数は多くて10万人(それでも1日275人!!)では、年間5000万円しかいかない。「城的」な雰囲気でお金がとれるビジネスを城で展開したいところである。

本物そっくりな城をつくって悦に入るのではなく、せっかくの城というシンボリックなものを活用し、地元の人が使って、如何に楽しいこころみを尼崎でおこなっていくかであろう。

尼崎城対よその城。

松本城
国宝なのに入館料610円
現存する五重天守は姫路城とここだけ。で、姫路城の入館料は1000円。

岡山城
着付け体験がまさかの無料
天守閣でお殿様とお姫様になれる着付け体験がなんと無料。甲冑も完備。

白河小峰城
日本初の木造復元
御三階櫓と呼ばれた建物を忠実に木造で再現した労作。
弘前城
桜の名所 天守を曳屋
桜の名所弘前公園。震災で崩落した石垣の改修にあわせて曳屋された天守。