尼崎発!ドーム建築
武庫川沿いの若本製作所の屋上に建つドーム建築。その活用方法に夢が広がる。
特許取得済の尼崎オリジナル
ドーム球場建築の下請けで終わるものか。絶対自分でドームつくったる。そんな夢から尼崎発オリジナルドームを発明したのは、若本製作所専務の若本誠治さん。
本業の金属加工の合間や週末に、模型づくりからはじめ、ついには工場の屋上に実物を建造。一見するとフラードーム(※)にそっくりだが、実は設計自由度が高いスグレモノで特許取得済。住宅用にと考えたが、建築基準法の特認のための費用は1千万円以上もかかり断念。実際の需要は牧場の糞尿発酵機の囲い等が主だそう。
オリジナルドームは数日で素人でも簡単に作ることができ、地震にも強いのが特徴。見学に訪れた尼崎21世紀の森づくり協議会のメンバーも「建ててみたい!」と興味津々。兵庫県産の間伐材で風力発電付きの自給型ドームハウスを地域住民の手で建てて、森づくりの拠点にする―。そんな夢が実現したらどんなに素晴らしいだろう。兵庫県さん、特区として認めてくれないかなあ。
なお、住宅として建てたのは播磨自然高原のモデルハウスのみ。社員の福利厚生施設としても活躍しているが、空いている時には一般にも貸し出しているとの耳よりな情報も。
この秋は、100年後の尼崎の森を夢見ながら播磨の森ドームで紅葉見物もオツでは?
※フラードーム:ドーム理論の生みの親、バックミンスター・フラー博士が考案した建築構造。自然界で最も無駄がない理想の建築として多くの建築家へ影響を与える。
Text:平戸潤也