ビューティフルネーム everything has a beautiful name.

尼崎は京都にもあった

「尼崎という地名は京都にもあるが、ルーツはこちら」という話がある。調べてみると、京都市伏見区に北尼崎町、南尼崎町という所があった。同市歴史資料館によると、その町名を記した最も古い史料は享保13(1728)年の「伏見大概記」。それ以前のいつ頃からあった地名かは不明だが、「両町のある地域は文禄3(1594)年、豊臣秀吉の伏見築城の際に埋め立てでできたので、それ以降でしょう」。こちらの尼崎との関係については「諸説ありますが、分かりませんねえ」。古都に残された尼崎の名。真偽ははっきりしないが、アマっ子のプライドをくすぐる話ではある。

築地の発祥はどこだ?

「東京の築地は、尼崎の築地からつけた地名や!」と豪語する声をよく聞く。お隣の西淀川区には、佃(つくだ)村の漁民が、江戸時代に東京に呼び寄せられ佃島を作り、ここから佃煮が生まれたという輝かしい歴史がある。これと関連して、天下の魚河岸「築地」は尼崎の築地をルーツとする珍説が飛び交っている。

真相を探るべく尼崎市立地域研究史料館へ。「とくに文献では確認されてないんですが…」。全国にある「築地」という地名は57カ所。「埋め立てで築いた開発地」という普通名詞な意味合いが強いのか、それとも本当に尼崎が発祥の地か? まだまだ謎に包まれている…。

人気漫画に尼崎が登場!

朝日小学生新聞で連載中。アニメは月~金の18:10~18:20(教育テレビ)で放送中

立花、七松、中在家、善法寺、潮江…、主人公の名は猪名寺乱太郎。尼崎出身の人気漫画家、尼子騒兵衛さんの大ヒット作「忍たま乱太郎」には尼崎の地名が数多く登場する。まちへの愛着が強い作者ならではのイキな計らいである。尼崎では、あましんのキャラクター「あまちゃんしんちゃん」、尼崎青年会議所の環境キャラクター「エコあま君」も手がける。

あなたのお名前なんて~の?尼崎で多い苗字ベスト5

佐藤、鈴木、高橋…日本で最も多い苗字は有名だが、尼崎ではどうか。市役所市民課戸籍係で話を聞いた。「探ってみましょうか」―待つこと数分。「多い順に田中、山本、橋本、吉村、吉田といったところでしょうか。全国的なランキングとはかなり違いますね」と戸籍を担当して20年のベテラン職員が話してくれた。

ちょっと恥ずかしかったコウモンのお話

パナマ運河方式の尼ロック

昨年「尼ロック」と名称を新たにリニューアルした尼崎閘門(こうもん)。海抜ゼロメートル地帯が広がる尼崎にあって、水害から市民を守る日本でも珍しい水門である。

それにしても突然の名称変更。関係者に話を聞いてみた。「閘門は英語でlock。コウモンという響きが色々な想像をかき立ててしまうので、思い切って名称変更しました」。変わったのは名前だけではない。老朽化がすすんだコウモン、いや尼ロックは設備も一新。見学ルートや公園の整備もすすめているという。欧米では観光資源としても注目されており、尼ロックでロックコンサートなんて親父ギャグも実現するかもしれない。

尼崎版「七人の侍」

「難波七姓」という謎めいた言葉。時は室町時代、足利政権の成立に活躍した赤松氏が尼崎を拠点に西摂を支配した。その後、赤松氏の配下にあった一族が、戦国時代に川辺郡南部の土豪として活躍。彼らを「難波七姓」と称した。上村、広岡、小寺、木島、大江、奥島、行本、高岡の7家は由緒ある旧家として、その後の文献にも登場している。今でも尼崎市内にはこれらの姓は多い。

鉄道マニアの常識「日本一長い駅名」

もともとはレース開催日のみの臨時駅だったそうだ

阪神電鉄の「尼崎センタープール前」駅はかつて、日本一長い駅名として有名だった。仮名書きにして14字。電鉄側がそれを意識して名付けたり宣伝したわけではない。熱心な鉄道マニアが発見、その筋で全国に知れ渡ったのだ。日本一の座を譲ったのがいつかははっきりしないが、おそらく10年ほど前。全国各地の第3セクター鉄道などが、乗客集めを狙って珍名を付けるケースが増えた。現在は、一畑電鉄(島根県)の「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前」(23字)、南阿蘇鉄道(熊本県)の「南阿蘇水の生まれる里白水高原」(22字)が1,2位とされる。