nanbu walker 第10回 あまけんの近所をウロウロ

桜が咲き誇る4月6日。花見気分の参加者15人でまち歩きをしました。阪神大物駅南の界隈を2つのグループに分かれて探索。マップいっぱいに書き込んだオモシロい建物や緑、謎のスポットをレポートします。■出口寛子

ひさしぶりの良い天気ということもあって、目につくのは洗濯物やふとんの集団。物干台や植木鉢が道にずらりと並ぶ。家の前の道すら自分の庭のように使っている。少々あつかましい気もするが、タオルやシーツが集団ひなたぼっこをしていると思うと楽しい気分になる。

43号線沿いを行くと、四方を柵で囲って入れないようにしてある緑地が。遊ぶための広場ではなさそうだし、かといって立ち止まって見入ってしまう程美しい草木ではない。騒音防止を目的とした「緩衝緑地」というものだそうだ。もっときれいな花を咲かせて「観賞」緑地にしてほしい。

住宅地の中に、ひときわ目を引く洋館があった。塀が高くて中はよく見えないが、参加者からは明治末期から昭和初期に阪神間に広がった郊外住宅の一つでは?という意見が。貫禄ある建物に負けじと広い敷地には大木や緑が生い茂っていて、昼間なのに薄暗い感じ。思わず肝試しをしたくなる屋敷であるが、玄関にはちゃんと表札が掲げられていたので、住んでいる人がいらっしゃるようだ…

大物駅前を歩いていると、朽ち果てたアーチを発見。かろうじて”駅”と”道”という文字は読める。きっと”駅前食道街”とでも書いてあったのだろう、今では数軒の店が細々と頑張っているだけだ。

今回、最も感じたのは緑の多さ。連なった公園には、満開の桜の道がずっと続いていた。まるで入学式を迎えるようで、わくわくしてきた。住む人たちが作る緑も多く、ほとんどの家が玄関などにプランターを置いている。掲示板の下にも植栽が施され、ちょっとした隙間も有効?活用している中にも、ここ大物での暮らしが香る。