続・ツクラナイマチヅクリ 選挙ははたして儲かるのか?

作ってみるとわかるはず。施設を作らないまちづくりの大切さが。
試算と文・齊藤成人

つくる・つくらないを決めるのも、議会制民主主義に基づいた市民の代表の市議会議員です。そんな市議会議員って儲かるのでしょうか?選挙費用や落選リスクを考えたら、そんなにおいしい仕事のようにも思えませんが…。


なんや、市議会議員が儲かるんか?やて。なんちゅーこと言うんや。不謹慎やで。そもそも議会制民主主義っちゅーのはなぁ。えっ、聞きたない? 儲かるかどうかだけ教えてくれって?本人に聞いても儲かるとは言わへんやろ。ほな、適当な地方自治体の市会議員選挙の一般例をもとに、簡単に試算してみよか。

そもそも選挙費用がなんぼかかるかっちゅー話やわな。ある調査によると、市議会選挙の場合の選挙費用は平均250万円や。思ったより安いなぁ。市議会選挙の場合、立候補者のわりに当選者枠が多いから、立候補したらほぼ8割近くが当選するって言われとる。公立高校の入試倍率並みや。この間の尼崎市議会選挙の当選確率は75%やから、だいたい数字は合ってるな。

対して報酬はなんぼもらえるんやろ。自治体によるけど、平均的な議員報酬はだいたい1000万円や。尼崎市もそれくらいやな。でもこれが全部もらえるのと違う。税金が引かれるわけや。年収1000万円と言うても単純に計算しても所得税や住民税で380万円はひかれる。めちゃくちゃ取られとるがな。税金高くてかなわんなぁ。こっちのほうが問題や!!

これで残り620万円。こっから日々の生活費に加えて、議員活動費として受け取る政務調査費で賄いきらへん議員活動費用があわせて毎月40万円かかると仮定すると、差し引き140万円が手元に残るわな。これが4年間もらえる。140万円×4年で560万円や。この金額を配当、選挙費用を投資額として考えて、それに当選確率、再運用利回りなんかを勘案してもっともらしく計算すると、利回りは…なんと17%や!!

議員報酬が1000万円の場合の参考利回りを(勝手に)計算してみた

17%やで。あの世間を騒がせた「村上ファンド」の平均運用利回りと言われてる奇跡の数字や!!儲かるがな。今時銀行にお金をあずけたって金利は0.1%。国債だって1%以下や。8割近くの確率で当選すると思ったら、ワシがチャレンジするで~

えっ、ワシが不謹慎やって。そんなに甘いもんやない、政治にはいろいろ金がかかる。そのとおりや。これはあくまで皮算用や。選挙費用すら回収できへんこともある。まじめにやったら金がかかる。やっぱり政治は心意気やな。


さいとうなるひと
金融機関勤務。尼崎でつくってみたい事業を募集中!!