議会へ行こうはじめての傍聴日記

選挙を勝ち抜いた猛者が集う尼崎市議会議事堂。市役所に隣接した建物の中、議場で繰り広げられる論戦を一目見ようと、市議会ツウのすすめで「予算特別委員会」を傍聴してみた。

まずは受付へ

3月13日くもり。今日は市議会を傍聴する。初めての傍聴で妙なテンションのW氏とともに受付をすべく開始15分前に議事堂へ。表札?のフォントがやたら格調高く、思わず記念撮影。緊張感とともにさらにテンションがあがる。事務局で受付をすませ、写真撮影の禁止などの簡単な説明を聞いたら、「議会が始まるまでここでお待ちください」と応接室へ案内される。思いがけないVIPな待遇にテンションはうなぎ上り。

席次に注目する

議場の前方には市長、副市長、各局長クラスがズラリとならび、それに議員が対峙する。これから繰り広げられる戦いの陣形を可視化したともいえる構造だ。やがて行政チーム、続いて議員チームが順次入場すると、いやでも緊張感が高まる。議員の先生方はそのまま漫画化できそうなくらいキャラが濃い。ちなみに議員の席順は当選回数が多いほど後ろになるらしい。このあたりはスクールカーストを反映したクラスの席替えによく似ている。ふとW氏の顔を覗くと、試合開始のゴングを待ちわびる格闘技ファンのように紅潮している。

ニュースの壺を読み解く

いよいよ議会がはじまった。この日傍聴したのは予算特別委員会の総括質疑というやつで、簡単にいえば市の事業や予算等の妥当性を議員が問うというもの。「ジェネリック医薬品」「PM2.5」「いじめ、体罰問題」等、全国紙やニュースで話題のトピックが飛び交う。これらが尼崎で議論されていると急に身近な問題に感じられる。日本社会の縮図がそこにはあるのだ。その一方で、「青少年センター」「JR猪名寺駅南の踏み切り」等、ローカルな話題が持ち上がる。その落差にしびれる。

ヤジ、ツッコミを味わう

議員が質問し、担当者が回答する。その回答に対してツッコミを入れ、アドリブで切り返す。質問の仕方によっては攻撃力が下がってしまうのがおもしろい。そんな丁々発止のやりとりに花をそえるのがヤジだ。ヤジひとつで緊張感が増すのは当然だが、なぜかほのぼのしてしまうこともあるから不思議だ。後ろの方に座っている先生方はさすがにヤジがうまい。

ちなみにこの日一番印象に残ったヤジは、担当者をKO寸前まで追い込んだ若手議員がとどめを刺すと誰もが息を飲んだにもかかわらず、「続きまして~」と次の質問に移った瞬間に出た「終わりかいっ!」の大合唱。その場にいた全員がツッコんだ。W氏もツッコんでいた。もちろん僕もツッコんだ。微笑みとともに議場が一体化した瞬間だった。

ネット中継も
白熱の市議会はインターネットでも観戦できる。しかし、おすすめはやはりライブ。ヤジやツッコミ、議員の息遣いを体感したいなら市議会ホームページで日程調べて議会へGO!


取材・文/永井純一