サイハッケン 世界初、頭蓋骨の博物館があった。

長く住んでいても意外と知らないまちの愉しみ。「へえ~」と目からウロコの再発見!
ディープサウスの魅力をご堪能ください。

脳外科医ならではの館長の見識あふれる解説は必聴

昨年末に国道2号沿いに突如表れた謎の建物。ゾロ目にこだわる館長が11年11月11日11時11分11秒にオープンさせた、「世界初」の頭蓋骨の博物館であるシャレコーベミュージアムがその正体である。

シャレコーベミュージアム
尼崎市浜田町5-49 TEL:06-6417-7069
入館料:500円(中学生以上) 開館日:土日10:00~17:00
要予約(2カ月前から受付)①希望日②時間③名前④人数をEmailで予約

さっそく中に入ってみると、1階には喫煙具やコップ、スケボーからバンドTシャツなど、所狭しと骸骨グッズが並べられている。2階・3階に上がるにつれて、1点物の工芸品、美術品などが加わり、その中に紛れ込むように本物の頭蓋骨標本が展示されている。

これらの展示物はすべて、独特の館長ルック(髑髏のネクタイ、帽子…)で迎えてくれる河本圭司館長が収集したものであり、その数は6660点にも及ぶ。この河本館長、実は関西医科大学で長年教授を務められた歴としたお医者さんである。一般的に持たれがちな「ガイコツは気持ち悪い、怖い」といったイメージを払しょくすべく、ミュージアムの設立へと踏み切ったそうである。

館長によると、このミュージアムは「スカルについての解剖学的、人類考古学的意味をもっている“サイエンス・ミュージアム”でもあり、また世界の文化を理解するための“カルチャー・ミュージアム”」(ホームページより)である。なるほど、確かに展示を見ていると、医学、考古学、文化人類学、民俗学、ポップカルチャーなど、さまざまな観点から骸骨と向き合うことができることに気付く。そして、様々な国や時代の人びとの生活や生死観がうかがっているうちに、無数の骸骨達がどことなくユーモラスに思えてくるから不思議だ。勇気を振り絞って、シャレコーベ学の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。


取材と文/永井純一
神戸山手大学講師。専攻は社会学、文化社会学、メディア論など。あとロックフェス!