尼崎市民なら誰もが気になる素朴な疑問にズバリ回答決定版 競艇競馬Q&A

1 なんでセンタープールって呼ぶの?

現在の正式名称は「尼崎ボートレース」。しかし駅名は「尼崎センタープール前駅」。競艇場関係者への取材によると「出屋敷と武庫川駅のセンターだから」とか「風向きの関係でセンター(3番、4番)のコースが勝ちやすい競艇場だから」など諸説ありすぎて、もはや都市伝説となっている。阪神電鉄に問い合わせてもその真相は分からず…最近ではプールのある施設「尼崎スポーツの森」への最寄り駅ということもあり、ますます混迷必至だ。

2 中央競馬と地方競馬どう違うの?

中央と地方ではそもそも成り立ちが異なる。阪神や京都といった競馬場で開かれる中央競馬はいわばメジャー。戦前の国営競馬から、戦後は中央競馬会(JRA)がそのレースを運営し、天皇賞や有馬記念といったテレビでもおなじみの大きなレースが土日に開催される。

一方、園田や姫路にある競馬場は兵庫県が運営を担う地方競馬。戦前は軍馬保護のために畜産組合が運営してきたが、戦後は戦災復興の名の下に、地方公共団体が開催。開催は平日が原則(祝日に開催することも)で、その収益は街のインフラ整備などに充てられてきた歴史がある。

3 予想屋になりたいんですが…

どちらのレース場にも、場内のチケット売り場には「大吉」「的中」などと書かれた屋台に立って、次のレースについての演説をする人たちがいる。彼らに100円を払うと着順予想が書かれた小さな紙がそっと手渡される。この通り買って当たった人から、その後そっとご祝儀を渡されたり、となかなかユニークな商売だ。どちらの主催者公認。しかし、一般には新たな参入は認められていないそうだ。なお、こうした商売を勝手におこなうと、きっと怖い目にあうのでやめた方がいい。

4 選手は普段どこにいるの?

競艇でも競馬でも、八百長を防ぐため、会期中に選手が外部の人間と接触することは禁止されている。携帯電話も没収される厳しさだが、では彼らは一体、どこでどう過ごしているのだろう。競艇場には会期中48人ほどの選手が控えているが、レースが終わると彼らは一斉にバスに乗り込み市内にある選手宿舎へと向かう。平均年収1700万円ながら、あまり派手にお金をつかう機会も少なくしっかりと貯金をしているのだろう。(あくまでも想像ですが…)

5 周辺対策でできたものって?

騒音や交通渋滞…周辺住民にとっては頭の痛い問題もある。対策として駅直結のファン専用通路が造られたり、公園が整備されたりとレース場の収益は地域に還元されてきた。市民健康開発センター「ハ―ティ21」の建設や「市役所庁舎」「農業公園」「労働福祉会館」の整備などにも充てられてきた。

6 どうして尼崎には競艇も競馬もあるの?

全国にあるいわゆる公営ギャンブルの数は、地方競馬(18場)、競艇(24場)、オートレース(6場)、競輪(45場)。そのうち2つものレース場がそろう尼崎は、全国でも珍しい、まさに「ギャンブルシティ」とでも呼びたくなる特殊な環境にあるといえる。その理由は一体何だろう。次の頁ではその歴史と経緯、今抱えている問題について考えてみよう。