この尼崎本がすごい!30冊 エンターテイメント

無人島にも持っていきたい尼崎を感じる本30冊を選んだ。小説、エッセイ、地域本、ジャンルは様々、レビュアーも色々。ベスト30一挙紹介。

エンターテイメント

尼崎絡みの小説は映像化作品も多いが、その他のエンターテイメント分野も充実。マンガに浄瑠璃に落語に。「絵になる街」ということか。


尼っ子が生んだ忍者ギャグ漫画『落第忍者乱太郎』

尼子騒兵衛/朝日新聞社/朝日小学生新聞で20年以上続く漫画で、アニメ版も好評。個性的なキャラクターと時代錯誤な設定から繰り出されるギャグセンスは1巻からすでに開花。「尼崎の騒々しい子」に由来するペンネームや、忍者屋敷取材中の怪我で休載に至ったのは有名な話。(TT)


国宝のええ噺は読んでも笑える『上方落語桂米朝コレクション第六巻』

桂米朝/筑摩書房/言わずと知れた人間国宝、珠玉のネタ集。喜八、清六をはじめ愛すべきキャラが登場する噺の数々は、時代を超えて人を笑わせてきた。ええ落語は読んでもオモシロい、電車の中では読めない笑いの1冊。「阿弥陀池」のくすぐりに尼崎が登場。 (WK)


結ばれぬ恋 燃え上がる悲劇『近松門左衛門集 ― 日本古典文学全集43』

小学館/米問屋の娘、お夏と奉公中の男、清十郎の結ばれない恋を描いた悲劇「五十年忌歌念仏」を収録。万治3年(1660)の実際の事件をもとに小説化し、50年忌にあたる宝永6年(1709)に初演された。尼崎は、お夏が遊女になった場所として登場。(TT)


ロケ地を見ようとファン来尼『涼宮ハルヒの溜息』

谷川流/角川文庫/累計400万部発行の大ベストセラーシリーズに尼崎が登場。それも、登場人物がバニーガール姿でアルバイトするという変なシーン。祝川商店街という名称ながら、アニメ版では明らかに三和本通や三和市場と分かる風景が映り、ファンは「聖地巡礼」に訪れた。(TT)

少しの登場でもなんだかうれしい尼崎本

『青い月曜日』 開高健
『青年の環』 野間宏
『華麗なる一族』 山崎豊子
『チョコレートを盗め』 宮本輝
『フラッシュバック39』 永井泰宇
『虚構のクレーン』 井上光晴
『功名が辻』 司馬遼太郎
『松本坊主』 松本人志
※参考資料『イメージAMAGASAKI』

伝説のタウン誌

いま、街なかでは駅やショップで専用ラックなどに備えたクーポン誌、タウン誌などが溢れている。一説によれば、フリーペーパーだけで2000媒体、3億部を超える数が刊行されるとか。でも、尼崎限定のものはいまだほとんどない? ここでは『南部再生』創刊以前に発行されていた伝説のタウン誌を紹介する。現在は、残念ながらいずれも廃刊。(KA)


『モアあまがさき』

「尼崎から文化らしき匂いのするものを」と85年創刊。文化人から経済人まで尼崎で活躍する人々が登場。層の厚さに脱帽。世界の伊達公子(当時19歳)が表紙を飾ったことも。1部200円、2万部発行。91年から季刊誌として23号まで続いた。。


『まちなび尼崎』

マイプラン/2000年1月創刊。読者から寄せられたお役立ち情報を多数掲載。身近な使える情報として重宝された。毎号、表紙を飾る尼っ子たちが地元密着を感じさせる。創刊から1年9ヵ月、短命にて廃刊。


[ブックレビュアー]
CO=大迫力 KM=加藤正文 KA=香山明子 MJ=松本創 TM=田中正郎 TT=綱本武雄 WK=若狭健作