メガネ、メガネ… vol.8 顔【かお】

尼崎南部で見つけた気になる光景をかたっぱしからパシャッと集めた2ページ。連続する写真と妄想に酔いしれろ!

町には顔が溢れている。いやいや、そんな事はない。あってもせいぜい人と犬、猫の顔くらいだ。しかしよく探してみると、向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもない顔があったりする。ので、よく探してみた。

街角顔面パラダイス

手をあげい!
左手にしこんだ銃を凶悪犯に突きつけるスペース保安官「ちょびHIGE」。
いらっしゃい
つぶらな瞳でお客さんを眺める商店街アザラシ。「あ、どうもこんにちは」。
どうぞどうぞ
「商店街の入り口には僕らみたいのがいるんですよ」天井ナポレオンフィッシュ。
二人はおさぼり
弟「早く戻ろうで、兄」。兄「先戻ってていいぞ、弟」。二人「…」
お坊ちゃま
いっそ説明しよう。三枚並んだ窓が目、丸窓がほっぺ、ほっぺの間が口っぽい!
裏千家昌夫
「うひょ~」と歌ってるかどうかは知らないが、額のほくろが昌夫の証。
なに!事件か!
町角顔面のダンディズム!渡哲也ばりの男らしい瞳にレディはイ・チ・コ・ロ。
信じられない!
「まさか、そんな…し、信じられない!」そう、僕には信じられなかったのだ(終)
ピヨピヨピ~
え、どこが顔か?ほれ、小鳥のような口元の…み、見る側の懐の深さも大切よ!!
顔面側面
たらこ唇なら「あなご君」、くちばしなら「アヒル」でも。しかしいい面構えだ。
ヒューヒューヒュー
え、どこが顔か?ほれ、細い目して口笛吹いてる…む、無理矢理なのは百も承知!

眼鏡人語
一軒家が顔のように見える。自動車に睨まれている気がする。ウィスキーを片手にそんな話に華を咲かす人はセクシーだ。「町角顔面」はもはや21世紀の常識と言っても過言ではなかろう。町の顔が広く人々に浸透したことは喜ばしい。しかし常識とはとかく無関心に扱われやすいものだ。そこがまさに落とし穴なのである。「家は顔っぽい」というが、本当に顔っぽい家はそうそう無い。そう、そうそう無い!「町角顔面」が常識など都市伝説にすぎないのである。前ふりが長くなったが、もし道端で「あ、これ顔っぽいな」と思う瞬間があれば、ぜひその対象を頭において他と比べてみて欲しい。町角顔面にも似てるもの、似てないもの、様々な個性がある事に気付いていただければ幸いだ。


まちのメガネ 山下祐生●やましたゆうき
音楽と散歩と定食をこよなく愛する21歳。石焼ビビンバにはコチュジャンと酢をたっぷりと。