アマ野球を10倍楽しく見る方法(2/3)

面白いのはプロだけじゃない。少年、高校生、サラリーマンだって野球が好き。尼の熱いアマチュアチームを紹介。

[草野球]上司? 部下?グラウンドでは関係ない。尼崎市役所 野球部

市内およそ300チームのトップ12チームからなるA級トーナメントを戦う強豪が市役所にあった。

普段は「課長」「キミ」なんて呼び合う関係でも、「グラウンドでは逆転することもありますよ」と氏丸監督。

部員は現在19人。30代半ばの選手が主力で、甲子園経験者が4~5人いた時代も。練習は平日週1回、週末には試合を戦う。対戦相手は、日亜鋼業、田村コピー、関西ペイントなど、こちらも地元企業だ。

20年ほど前は各課や同期ごとに、市役所だけでも50チームくらいあったという。職場の親睦に野球が欠かせなかった時代。最近は週末くらいは休みたいと、若い部員が集まりにくくなっているとか。

新規採用職員がやってくる4月。「最近の子は野球経験を隠すからなあ」と監督の氏丸善行さん(46)はスカウト活動に目を光らせる。

「僕なんかは入庁してすぐ上司に『お前、野球やってたそうやな』と目をつけられて(笑)。仕事はペーペーでしたが、野球は結構できたもんでチームでずいぶん重宝されました。職場の先輩にも顔を覚えてもらえて、仕事がしやすくなりましたね」という氏丸さんも今や課長さんに。

監督業のかたわら、市役所内の他のチームに入ってプレイも楽しむ。「よそのチーム行って、ええ選手がおったら声かけてみたりしてね。今度一緒にやろうや、なんて」。

ストーブリーグも熱い草野球。職場や家の近所にあるチームの救世主になるのは、今これを読んでいるあなたかもしれない。


楽しく見る方法

普段どんな仕事や暮らしをしているのかなどを勝手に想像しながら見ると選手にグッと親近感がわきます。

実は野球経験があった本誌特派員、市役所職員・江上昇。体験入部も検討中だ。