日本一?ひょっとすると世界一かも知れない 立花が誇るナンバーワン
トンカツを食う客にらむ 豚の置き物2000頭
「たぶんうちが日本一と思うんやけどね」
「こんだけ豚ににらまれたらトンカツ食いにくいなあ…」と、常連客に言わしめる立花本通商店街[味のとんかつ 大富士]の豚グッズコレクション。店の壁一面を埋めるその数、1500とも1600とも。尼崎では間違いなく一番、いや日本一かもしれない。
「正確な数?何個あるかなあ。集め始めて38年になるけど、途中で数えるのやめたから」とご主人。「開店当初、あるカタログで見た豚の薬味入れが欲しくてね。それが始まり」と奥さんが振り返る。休みの日には、大阪や神戸の店へ出掛けたり、骨董市をのぞいたり。「こんなん見つけた」と持って来てくれるお客さんもいた。震災では、壊れた豚たちを泣く泣く一斗缶に一杯分捨てた。
自慢は、ドイツ製の鉛細工のミニ楽団セット。「身長たった2センチほどやのに1体4千円やて。高いなあ、思いながら買った」と笑い合う。2人でせっせと集めたコレクションは、店の歩みそのものなのだ。
行けば分かるさイチバンへの道
御堂筋、哲学の道、オランダ坂といった道路界の強豪と肩を並べ、橘通りが「日本の道百選」に選ばれている。特色ある優れた道路として1986年に建設省が選んだベスト100だ。イチバンではないが、全国区であることには違いない。
しかし、なぜ橘通りが?ケヤキ並木はまあきれいだが、それほど特徴があるとは…。「市役所の目の前にある“まちの顔”として整備に力を入れたようです。沿道の公園や公共施設と一体的に整備したので、幅員もゆったりとして広いんです」という市道路課。市民祭りのパレードにも重宝されているようだ。名前につけられた「橘」の文字は、市民公募でかつての地名が採用された。
これら百選を踏破することに情熱を燃やす「道マニア」が作るホームページで、橘通りの感想を見つけた。「ランクD、いまひとつ、道の良さが分りませんでした」。イチバンへの道のりは遠い。
長さ1メートルの珍細長巻寿司
寿司屋がもっとも忙しい節分。この時ばかりは、来店客より巻き寿司の予約注文が上回る。一本、一本巻くのは手間がかかる。「エ~イ、一度に巻いてしまえ」と1メートルの巻き簾を特注した。これで一気に5本巻ける。ところが、節分以外は用がない。長い巻き簾は場所を取ってジャマなくらい。「もったいないな~」と作ったのが始まりだ。
1メートルもの珍細長巻寿司。ギネスに挑戦とまではいかないが、かなりの迫力がある。海苔は5枚半、すし飯は3人前。あなごに、うに、いくら、サーモン…と、にぎりのネタを16種以上もぜいたくに巻く。重さ1.3キロ。持ち帰り用にこしらえた、長くて白い箱。「蛍光灯みたいでしょ」と笑うご主人。宴会やスナックへの手みやげに重宝しそうな一本だ。ワサビをたっぷり仕掛けたり、笑いのネタ仕込みにも一役買ってくれる。