地域ブランドを育てる

どら焼き「神輿」は一つ100円 ちょっとぜいたくな栗入りは120円

「和菓子屋にとってまちのイメージは大きいですよ」そう語る箕浦康之さんは尼崎杭瀬で昭和3年に創業した和菓子屋[寶屋遊亀(たからやゆうき)]の3代目。「うちは京都どすえ」という店のイメージが、大きな付加価値を生む和菓子業界。それくらいまちのブランド力が商品に影響する世界なのだ。

「尼崎というブランドを育てないといけない。下町や工業都市というこれまでのイメージではなくて、古い歴史や文化、地域性をこの店から発信したい」と新商品としてどら焼き「神輿(みこし)」を発売。地元・杭瀬熊野神社のお祭りで、地域の人に福を分けて練り歩く神輿のように、地元で愛されるお菓子にーという想いが名前に込められた。

「尼崎の人に親しんでもらうためには、敷居が高すぎてはいけない」と語る箕浦さんが新商品に選んだどら焼きは、品格を守りながら、身近で庶民的なお店やまちのイメージと重なった。

2001年からは百貨店のバレンタイン商戦にも参入。チョコレートをおもちで包んだ「ショコラデユウキ」がヒットし、和菓子と洋菓子の垣根を超えた型破りな活躍に、市外からも注目が集まる。「すごい和菓子を作ることで尼崎のイメージを変えたい。これからも、うちは尼崎で作っていますと胸を張って言い続けますよ」。


寶屋遊亀

杭瀬本町1-18-20
06-6481-1680